藤沢市は10月22日、国の登録有形文化財である「旧後藤医院鵠沼分院」が、所有者の塩原芳雄さんから市に寄付されることを発表した。同院はこれまでと同様に、市民が自由に集いふれあう場「鵠沼橘市民の家」として、今後も利用される。
塩原さんは2013年9月、「景観上も貴重な建物を市が保存し、今後も多くの市民に親しんでもらいたい」との思いから、「旧後藤医院鵠沼分院」の土地と建物の寄付を申し出た。その後、市では所有権移転登記の手続きを行った。所在地は藤沢市鵠沼橘1丁目1850番40、面積322・07平方メートル、木造銅板葺平屋建169・81平方メートル。
市への寄付2例目
「旧後藤医院鵠沼分院」は、1933(昭和8)年、東京都小石川の「後藤内科医院」の分院として後藤家長男の秀兵氏が開院した。同院は、秀兵氏が高齢になったのに伴い閉院。秀兵氏は終生独身だったため、1971(昭和46)年に亡くなったのちは、親族が別荘として使用していた。塩原さんが所有権を相続したのは1993(平成5)年。以後08年には、塩原さんから敷地内の建物を残すことを条件に売却の申し出があり、市が借り受け、「鵠沼橘市民の家」として利用されてきた。土地と建物の賃料は約84万円/年(13年度)。
同院は、入母屋屋根や銅板葺きの和風要素と、上下窓の出窓や洋風下見板張りの外壁の洋風要素が混ざり合った外観や、戦前期の医院建築を残す貴重な建物であることから、10年に市内で3番目の国登録有形文化財に登録。国登録有形文化財が市に寄付されるのは、旧近藤邸に次いで2例目という。
鈴木恒夫藤沢市長は「景観上も貴重な建物を今後も藤沢市が大切に保存し、多くの市民に親しんでもらいたい」と話している。
同課によると、同所は今後も「鵠沼橘市民の家」として利用されるという。
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