湘南工科大学・情報工学科4年生の佐藤匠さんが昨年夏に、同学科の渡辺重佳教授らと研究を進めた新システム「LSI用順序回路の設計法提案」が、このほど業界紙に紹介され、注目を集めている。
実用化すれば充電長持ち
スマートフォンやタブレットなどのバッテリーを長持ちさせるためには、内蔵されている「LSI」システムがさらに多く搭載される必要がある。しかし、これまで一般的だった「平面型トランジスタ」を大量に搭載するのは限界に近づいているという。
そこで佐藤さんと渡辺教授らは、USBやデジタルカメラに利用されている3次元型の「NANDフラッシュメモリ」の製造技術を応用。横方向に1層のみ並べられていたメモリセルを、縦方向に何層も積み重ねていく理論を「LSI」でも実現し、新システムの設計法を編み出した。これにより、大容量化や低コスト化が実現するほか、アクセス速度が格段にアップする可能性があるという。今後実用化されれば、幅広い分野での製品化が期待される。
専門外に挑戦
昨年夏、ハードウエア専門の渡辺教授は、大学対抗プログラミングコンテストをはじめ、日ごろの講義でも優秀な佐藤さんに注目。「きっと面白い結果が出る。一緒に研究を進めないか」と勧誘した。CGやソフトウエア開発の道を考えていた佐藤さんだったが、「興味はあったので、挑戦してみようと思った」と、主にシミュレーションやデータ解析、作図を担当し、夏休みを研究に費やした。ゼロからのスタートだったが、持ち前の向学心と飲み込みの良さで、あっという間に研究者としての感性を発揮した。渡辺教授は「2カ月足らずで仕組みを体得しただけでなく、考察力も高く、ずいぶん助けられた。実用化や製品化を何としてでも実現したい」と語る。佐藤さんは「注目されて驚いているが、社会に役立つ研究をしているという実感があった。教授から培った経験を活かしたい」と話す。
藤沢版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>