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公開日:2018.11.23
神奈川の名工
藤沢から2人選出
熟練技能や功績を評価
県内の優れた技能者を表彰する「神奈川の名工(卓越技能者)」にこのほど、藤沢の和生菓子製造工・宮崎曻さん(71)と高倉の室内装飾工・本間健治さん(59)の2人が選ばれた。熟練した技術力や長年にわたる功績が評価された。
「神奈川の名工」は、一定の技術職に25年以上従事し、製造現場の生産性の向上や後進の育成に寄与している45歳以上の人が選ばれる。今年は県内から計26人が選出され、20日、横浜みなとみらいで表彰式が行われた。
宮崎さん本物そっくりに
宮崎さんは18歳のころ、父が営んでいた店で和菓子職人の道を歩み始めた。21歳の時、父が亡くなり「自分が店を継がなくては」と別の師匠に師事しながら和菓子作りにのめり込んだ。
団子や豆大福作りから結婚式などのお祝いに使う式菓子、春夏秋冬の四季菓子など「素材よりおいしく」をモットーに和菓子全般の製造を数多く手掛けてきた。
今回高く評価された工芸菓子は、本物そっくりな花鳥風月を表現する観賞用の和菓子。製作には高度な技術を要し、国内でも限られた職人しか作ることができないという。「本物を自分の目で見て忠実に再現することが重要」と話し、草花などの植物をはじめ、鳥や魚などの生物研究も欠かさない。
また2年前まで14年間、藤沢菓子組合の会長も務めており、今でも県内各地で和菓子作りを教え、技術の伝承に貢献している。こうした過程も評価につながった。「完璧なものができることはない。謙虚な姿勢を忘れず、日々勉強」と笑顔で話した。
本間さん技術は嘘をつかない
本間さんは高校卒業後、父と同じ床の装飾工の仕事に就いた。住宅の洗面所やトイレなどの床に塩ビタイルやシートを貼る仕事を主に、技術の本場、ヨーロッパで修行するなど技を磨き続け、これまで数々の施工を手掛けてきた。また全国や世界大会にも出場し優勝するなど、輝かしい実績も残している。
今回評価されたのは、設計に合わせて素材を切り、隙間なく平らに床に埋め込むデザイン貼りの象眼。「最後は職人の腕にかかっている」と言われる高い技術力で、テーマパークや大学病院などの顧客の要望に合わせた注文に応えてきた。「やっとここまできた。次は国から選ばれる現代の名工を目指したい」と抱負を語った。
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