今年開館15周年を迎えた新江ノ島水族館。館内の水槽には相模湾近海から深海まで500種を超える生物が展示されている。中には飼育困難な生物もいるが、表からだけではわからない”裏舞台”とは。飼育員の目線からひも解く。
同館一角にある「シラスサイエンス」。実はシラスの生態を展示する水槽は世界で初の試みだ。5年前、開館10周年を記念してスタートさせた。
シラスはカタクチイワシやマイワシなどの幼魚の総称。卵からかえると、生後30日ほどで食卓に並ぶ2cmほどのサイズに成長。約50日で成魚になる。
主にシラスの飼育を担当するのは、飼育員の伊藤寿茂さん。最初は前例がないため全てが手さぐり。海からシラスを運ぶため、網ですくうとあっという間に全て死んでしまった。またふ化後、展示のために水槽を掃除すると全滅してしまったり。試行錯誤を重ね、繁殖から成長まで一連の飼育を完結させる繁殖展示にたどり着いた。今では7世代目まで誕生している。
「シラスは餌の食べ方がおもしろい」と伊藤さん。シラスにとって最大の危険は飢餓。餌の動物プランクトンを見つけると「くの字」に身体を曲げて、食べるという。
伊藤さんは「普段目にするシラスのあまり見られない成長過程を見てもらえたら」と話した。
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