長後駅東口から徒歩3分程、長後商店街沿いの老舗呉服店「羽根澤屋本店」の裏通りに入ると現れる「羽根澤屋資料館」。1994年に同店が創業100年を迎えた記念に建てられた。同店3代目の故・青木宗茂さんが大の古いもの好きで、全国各地から集めた、貴重な品々が展示されている。その数、300点以上――。
展示されているのは、明治から戦前のものが多い。江戸時代の水鉄砲式ポンプ、消防の半纏、軒吊り看板などをはじめ、当時の生活用品、古文書類など様々で、「過去は未来を開く鏡。時を越えて息づくぬくもり、この時の流れの贈りものに目をこらし、過ぎし残影の郷愁を偲んで下さい(略)」とメッセージが添えられている。
これまで、普段公開されることはなく、学生や団体が勉学のため訪問するときにだけ開かれていた同館。今年の5月から、ふるさと観光マップ「長後めぐり」の資料編などを作成する「長後歴史散策の会」が毎月1回、第2月曜日に開館することになった。同会メンバーは「羽根澤屋の歴史、長後の歴史、日本の歴史が分かる郷土資料の宝庫。地元の歴史を知るきっかけになれば」と話す。
長後は江戸時代、大山街道が通る交通の要衝として宿場が置かれ、商店が立ち並び、中心地として栄えていた。同店も江戸から明治後期までは旅館を営んでいたという。同メンバーは「呉服店に業務転換するときにアドバイスをしていたのはあの伊勢丹の創業者なんだよ」とにっこり。資料とともに歴史を丁寧に教えてくれる。
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