藤沢市教育委員会は、11月から市内19校の中学校に通う生徒がインターネットを通じて教科書に沿った自宅学習ができる新システムを本格導入した。個人が所有するパソコンに加え、スマートフォンやタブレット端末からでもアクセスが可能で、学習環境の充実を図る。
文科省が推進する学校のICT(情報通信技術)化の一環。市を含めて県内20の自治体(一部含む)で導入されている「ラインズeライブラリ」を活用する。
同システムは小学1年生から中学3年生までの各教科の単元に合わせた学習が可能。国語、数学、理科、社会、英語の5教科に加え、音楽、保健体育、技術家庭科、美術の実技科目にも対応しており、学年をまたいだ復習や予習も可能だ。これまではパソコン室での利用に限定されていたが、IDとパスワードを入力すれば学校外でも利用が可能になる。
同システムは回答の正解、不正解によって難易度が異なる問題が出される仕様で、開発したラインズ(株)(東京都新宿区)は「家庭でも短時間で効率よく学習でき、学力向上が見込める」と話す。ドリル問題に加え、用語の解説やリスニング機能などもある。
同社によると、県内政令市のほか近隣市でも導入されており、不登校の児童生徒への指導教材として活用されるケースも多い。市教委では「具体的な運用方法は今後検討するが、ICTの活用で個別の理解度やニーズに沿った学習が可能になる。そうした機会を提供する一つの手段になるのでは」と期待した。
ICT化 推進課題
学校のICT化について藤沢市はこれまで全国的にも対応が遅れていた経緯がある。同省が8月にまとめた2018年度「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」によると、教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数は県平均6・9人(全国43位)に対し県下で3番目に水準が低い11・3人だった。
こうした実態を踏まえ、市は今年度、小中学校55校中、48校でパソコン端末の入れ替えを実施。タブレット端末を中学校で20〜30台、小学校では50〜80台を設置したほか、無線LAN環境も整えた。今年度の整備で「(パソコンの台数は)県平均に近い数値には環境が改善される見込み」という。
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