高齢者などを中心に食料品の購入や飲食に不便さや苦労を感じる「買い物難民」の増加が社会課題となる中、打戻の市営住宅で今月から新たな取り組みが始まった。地元生産者や福祉団体などを巻き込み、週に1度移動販売を実施。過疎地だけでなく都市部でも相次ぐ課題解決の糸口になりそうだ。
「ただ今、5号棟横で野菜やお惣菜などを販売しています」――。
13日昼過ぎ、打戻にある古里団地。拡声器の声が響くと、20人ほどの住民がいそいそと集まってきた。団地脇の道路では地元の農家がトラックの荷台でトマトやレタスを、別の販売者がコロッケなどの惣菜や調味料などを販売する。住民の西山八重子さん(73)は、「本当に助かる。住民や販売者の人とのお喋りも楽しい」と笑顔だ。販売者は「一人暮らしでも使い切れるサイズを多く用意している。調理の手間が省ける惣菜も人気」と話す。
住民主導で模索
同団地は約半世紀前に完成。住民の半数以上が65歳以上の高齢者と近年は高齢化が進み、認知症や障害、持病をもつ人や一人暮らしの高齢者も多いという。
そうした中、昨年、団地から徒歩圏内にあったスーパーが閉店。用田商店街の八百屋や魚屋なども次々に閉店し、日用品の買い物はバスを利用し、湘南台や大庭の大型店まで、足を延ばさなければならなくなった。
そこで困っている住民の姿を見た古里住宅自治会高齢者対策担当の池上弓子さん(68)が移動販売を発案。同じ打戻で農業を営む井出農園に協力を仰いだところ、代表の井出茂康さんが快諾。昨年12月から週一度の移動販売が始まった。
その後コンビニエンスストアのポプラ藤沢宮原店と(社福)光友会の協力も取り付け、今の形に。住民からは「必要な時に少しずつ買えるので助かる」と好評という。
池上さんは「不便になっても皆で協力することで生活しやすくできる。今の販売方法だと肉や魚は難しいので、今後は例えば大型店までバスで住民を送り迎えする仕組みなどが作っていけたら」と話した。
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