新型コロナウイルスをきっかけに働き方や生活様式が変容する中、地域経済も回復に向けた模索が続いている。果たして”処方せん”はあるのか。各業種や団体関係者に話を聞いた。
――障害者の就労支援など障害福祉サービスを展開しています。コロナ禍による影響は。
「光友会では、神奈川ワークショップ、ライフ湘南、寒川事業所の3事業所を中心に障害者の就労支援を行っています。利用者は18〜70歳まで計156名おり、身体、知的、精神障害、全ての方が通所しています。現場では軽作業を始め、パンや焼き菓子、弁当などを作って販売していますが、食品部門は相次ぐイベント中止で、注文数が激減。また、清掃事業についても建物での作業ができなくなるなど、影響がありました」
――利用者の賃金については。
「雇用契約を結ぶことが困難な人が働く『就労支援B型』への影響が顕著でした。給与にあたる『工賃』は労働時間に比例しますので、作業そのものがなくなれば工賃は下がる。当法人のB型事業所での工賃は月平均2〜2万5千円。これは一般的な事業所と比較すれば高い水準(全国平均1万6118円・2018年度厚労省)です。コロナ禍でも工賃は極力下げないよう工面しましたが、法人の収益減から7月の報酬は減らさざるを得ませんでした。また雇用契約ではないため、新型コロナ対策の雇用調整助成金は申請できないなど公的支援から漏れている現状もあります」
――生産性が落ちる一方で工賃を維持することは、さらに経営を圧迫したはずです。背景は。
「作業の対価として工賃を受け取ることが、利用者のやりがいに直結するからです。事業所は一般的な企業とは異なり、最優先するのは生産性ではなく、利用者の自立支援です。ただでさえコロナの影響で通所を控えているところに工賃まで下がれば、さらなるモチベーション低下になりかねない。利用者の働く意欲をどう活気づけるかは今後の課題でもあります」
――市内でも感染者数が増加傾向にあります。今後の対応は。
「利用者が安心して働くことのできる環境をどう維持していくか。これに尽きます。消毒や検温、『3密』の防止など、職員を含めハード、ソフトの両面で感染症対策を徹底するのはもちろんですが、障害のある利用者にとって働く場所は貴重なコミュニティーの場でもある。実際、自粛期間中は普段明るい利用者が暗くなったり、ストレスを抱えているのだろうなと感じる場面もありました。依然イベントなどの制約はありますが、利用者が気持ちよく通えるよう、何か気持ちが和らぐ仕掛けも考えていきたいと思います」
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