新型コロナウイルスをきっかけに働き方や生活様式が変容する中、地域経済も回復に向けた模索が続いている。果たして”処方せん”はあるのか。各業種や団体関係者に話を聞いた。
藤沢市民間保育園設置法人代表者会会長 伊澤昭治氏
――コロナ禍に伴う「新しい生活様式」が各業界で求められています。保育園での現状は。
「いわゆる『3密』をどう防ぐかは、まさに今直面している課題です。もちろん手洗いや消毒、職員のマスク着用、外部からの接触制限など各園が取り組んでいるところですが、園児がソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つことはまず不可能です。保育園は集団生活を送る場ですが、それ以前に屋内では1人あたりの面積基準が設けられており、物理的に難しい。確保するには定員を減らすしかありませんが、保育を必要とする地域社会のニーズもある。大変悩ましい問題です」
――その他感染症対策は。
「仮に園児や職員から感染者が出た場合、2週間の休園措置を取ることにしています。幸い、市内の保育園でのクラスター(感染者集団)は発生していませんが、感染者数が再拡大している現状を踏まえると、いつどこで発生するか分からない。3密を防ぐことができない中で子どもたちの安全をどう担保するのか、当然考える必要があります。また休園時も医療従事者など、どうしても保育が必要な人もいる。そうした受け皿をどうするのか、現在市と話し合いを進めているところです」
――緊急事態宣言下を振り返って、浮かび上がった課題は。
「一つには各園の対応にばらつきがあった点でしょうか。例えば市立小中学校は一斉休校などが一律で実施されましたが、保育園は各園が状況に応じて保護者に対応をお願いしました。教育機関とはそもそもの機能が異なりますが、例えば先日市が公表した災害時の休園に関するガイドラインのように指針があると足並みも揃えやすい。感染についての線引きをするのは難しいかもしれませんが、保育園側が説明しやすく、保護者側も備えやすくなるはずです」
――今後の保育園のあり方については。
「感染リスクが払しょくされない中、従来の保育ができにくくなっているのが実情です。以前のスタイルで出来ない以上、新たな形を模索する必要がある。ただ、保育園は社会のニーズに応えるという役割があり、脱却には社会のあり方そのものが変わる必要があります。例えば、コロナ禍でテレワークが進み、在宅ワークが増えた。これが働き方として定着し、登園する人数や日数がある程度減れば、3密も避けられるかもしれない。コロナ禍を機に社会が変容することに期待しています」
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