「常に新たな作品のことを考えている。ずっと作り続けたい」。今年10月に白寿を迎える現役の俳人が大庭にいる。
約30年にわたり500句以上の俳句を創作してきた岩瀬静代さん(98)。耳が遠くなり、歩行器で移動する今もペンを握り、毎月テレビや新聞の俳句募集に投稿するのがライフワークだ。「自作の句が紹介されるとうれしくて」
デイケアに通う中で感じた心象風景や、過去の思い出を書き留め、心情を織り込み作品化している。7月末にはNHK学園受講者の合同句集「くにたち」に作品を掲載。生前の夫と鎌倉を訪れた様子を詠んだ句「見馴れたる 夫のうしろ手 冬椿」などを出品した。
きっかけは20代の頃。小学校教諭を務める中、俳句勉強会で発表した句が好評だったこと。結婚後、夫の家業の雑貨商を手伝い創作から離れたが、平成に入り藤沢へ引っ越し、書道を教えながら、俳句結社「鹿火屋」の原裕氏に師事し意欲が再燃した。
同居する息子の章さん(71)は「虫眼鏡を使って毎日欠かさず新聞や本に目を通す。とにかく勉強家」と言う。孫たちからは「不死鳥のよう」と驚かれ、タブレットを駆使し、文字でメッセージを送り合っている。
次は「生きる」をテーマに、先日誕生したひ孫を抱いた時の喜びを形にしようと思案中。「いくつになっても向学心」を胸に、今日も筆をとる。
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