「車を停めていたら、特徴的な欄干が目について」。欄干って、あの橋の手すりの?そういえば、市内のどこかにカエルが装飾された橋を見たような…。ある日の同僚記者とのやり取りでふと思った。ほかにも特徴的な橋はあるのか、あるなら作られた理由は。早速取材してみた。
まずは初夏の陽気の中、朝日町と大鋸をつなぐ「東橋」へ。フジのモチーフが欄干を覆いおどろおどろしくも美しい。不思議と景観になじんでいるようだ。
続いて向かったのは引地川親水公園にかかる「天神橋」。記憶は確かだった。カエルが点在し、相撲の取り組みの一連の動作から行司までいてユーモラス。撮影していると、傍を通った親子から「カエルの相撲だ」と微笑ましい声が聞こえてきた。
市道路維持課によると、市が管理する橋は242カ所(2021年4月時点)。そのうち彫刻や欄干の透かし彫りなどが施された橋は16カ所で、昭和60年代から平成20年頃に制作された。
1980年代、市は「個性とうるおいのある街づくり」を目指し、都市デザインに取り組んだ。橋の架け替え時には、機能面だけでなく景観を考慮したデザインを用いてオブジェを制作。境川に架かる橋は主に「植物」、引地川は「動物や鳥」をテーマにオブジェが設置されたという。
同課は「デザインが施された橋が完成して30年余りが経過し、一定の役割は果たしたと考えている」としている。現在は「市道路ストックマネジメント計画」に基づき、デザイン欄干・照明などの更新には、地域特性を再検討した上で標準的な仕様への見直しを行っているという。
公共芸術の側面も
各オブジェは「パブリックアート」としての側面も持ち、著名な作家が制作したものも存在している。辻堂太平台にある「作橋」の橋の上で羽根を休める姿が心和ませる鳩は、彫刻家・柳原義達氏が手掛けた「道標」シリーズの一つだ。
昨秋発行された、橋や公園など公共の場に設置された芸術作品を紹介した冊子「ふじさわパブリックアート散歩」の編集に携わった藤沢市アートスペースの担当者によると「著名作品には、作品自体にサインがあることで、作者を特定できる」。一方で、天神橋のカエルや、鵠沼海岸にある「日の出橋」の鳥などは手がかりが残っておらず「作者不明」だという。「身近に見られる芸術作品。近くを散歩した時には目にとめてほしい」と呼び掛けた。
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