まっすぐ続く道を歩けば、地域の歴史が見えてくる――。
「水道みち」「水道道路」と呼ばれる道をご存じだろうか。上水道管の通る地面の上に設けられた道路で、明治以降、水道敷設の際立ち入り規制していた土地が、後に活用されるようになった。水源から極力最短になるよう設計されたため、地形に関わらず直線状のことが多いという。
水道設備自体は老朽化で廃止となったところも多いが、特徴的な直線形状の面白さと歩きやすさ、歴史散策としての魅力から、「水道みちを探して歩く」ファンも多い。
善行長後線になごり
今年4月に藤沢から横須賀まで水道みちを歩くイベントを開催したのは穴水大介さん=鵠沼神明在住=(45)と大久保邦彦さん=善行在住=(43)。健康のため長距離を歩く際「物語のある歩きがしたい」と素材を探す中で、水道みちに出会い、その魅力にはまった。
藤沢市では御所見〜村岡地区を「横須賀水道道路」が斜めに縦断する。1918年に横須賀海軍に水を供給するため愛川町の宮ケ瀬ダム付近から約53Kmの水道管が通された。近年まで横須賀の逸見浄水場まで通水していたが、15年に廃止された。
県内の横浜市道85号線のように「水道道」の標識があるわけではなく、藤沢での知名度は低いが、湘南台321号線や善行長後線などに直線道路として引き継がれる。また、波のマークと「海」の漢字が刻まれた旧海軍の道界を、道路脇で見かけることができる。
「所々つながっていない部分が、反対に冒険心をくすぐる」と2人はにっこり。穴水さんの”推し”は「立石2丁目」、大久保さんは「善行長後線」。「ぜひ歩いてみて。地域の知らなかった魅力が見えるはず」
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