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藤沢 社会

公開日:2021.12.10

コロナ感染 変わった日常 【2】
味覚障害、倦怠感、遠い日常
40代男性 会社員

  • 取材に応じる男性(写真の一部を加工しています)

 12月7日の新規感染者数は、藤沢市で1人、神奈川県で9人、全国では104人。低水準が続く一方で、南アフリカで検出された新たな変異株「オミクロン株」の感染が国内でも確認されるなど、予断ならない状況は続く。本紙では感染を経験した3者に取材。環境ごとに捉え方が異なる感染後の生活について聞き、「第6波」の備えにつなげる。

 「動きたくても動けない。身体の全細胞がウイルスと戦っている感覚が、何日間も続いた」。40代男性会社員は感染を振り返りこう話した。

 感染が判明したのは感染者が徐々に増え始めていた今年4月半ば。鼻水やくしゃみが出始め、「念のため」と民間のPCR検査センターで自主的に検査。翌日、陽性が確認された。

 熱は36度台後半から37度ほどの微熱。感染が分かった時は「感染経路も思い当たらず、ただ驚いた。実感はなかった」

 70代の母と同居していたこともあり、療養は県の感染症対策の医療提供体制「神奈川モデル」に基づき、宿泊施設を選択。10日間の療養生活は3食弁当が支給され、朝と夕方に看護師から連絡が入り、体温計やパルスオキシメーターで体調を確認された。

 男性の症状は、宿泊療養が始まった頃からコーヒーとお茶の味の違いが分からない程度の味覚障害が現れ、食欲も無くなっていった。倦怠感もひどく、何もできず、ただ横になっているだけの日が続いた。仕事は休んでいたが、念のためノートパソコンを療養施設に持ってきていた。だが「とてもじゃないが仕事をする余裕は無かった」。外部との接触が全くない10日間は孤独感も募っていった。

 10日目。検査も問題なく施設を出ることになったが、倦怠感が残り、万全な体調では無かったため、自宅には戻らず1週間ホテルで生活をすることにした。そこで感じたのは、疲れやすくなってしまった体の変化。階段の昇り降りや、外に食事を買いに行くため数メートル歩くこと、部屋の清掃中に外で時間をつぶすこと、すべての行動をするにあたって体力が持たなかった。

 「日常を取り戻すのはすぐ出来るわけじゃなかった」。ホテル生活も終え、仕事にも復帰した。だが、元々細身だったうえに、さらに体重が4kg減少。自律神経系の機能が上手く働かず、体温調節が思うようにいかないなどの症状が残った。

感染経て意識が変化

 いつどこで誰がなるか分からない感染症を経験し、意識の変化もあった。「少しでも移してしまう可能性があるならその可能性は1つでも無くしたい」と、ワクチンを接種した。

 さらに、周囲への感謝の気持ちも溢れた。休みを十分に取り、復帰させてくれた職場、「神奈川モデル」の医療体制はじめ、県や保健所の迅速で丁寧な対応。「みんなおかげで助かった。そして今がある」

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