県政報告 困窮の農業、将来をみた抜本改革を 神奈川県議会議員 国松 誠
藤沢市に散在する田や畑が、危機に瀕していることをご存知でしょうか。相続で土地の所有権が細分化されたり、生活を支える収益力が弱く、土地の規制も強いため、農業の継続が難しくなっているからで、この現象は拡大しています。
このまま放っておけば、本来、豊かな実りや景観をもたらしてくれる農地が減少し、そう遠くない将来、雑草だらけの荒れた土地がひろがってしまいます。
実際、県の環境農政局にコメを作った時の農家の収入を聞いて、愕然としました。
神奈川県の一反(約300坪)当たりの平均収穫量は540キログラムで、JAの引き取り価格は1キログラム当たりわずか223円。経費を除いた農業収入は300坪で5万8752円です。仮に年収400万円を稼ごうとするとおよそ66倍の2万坪以上の面積が必要になり、今度は莫大な経費がかかります。農地の細分化で集約もままならない今、農業経営の厳しさがより深刻であることがわかります。
では農地を別の形で使うのはどうでしょう。これも農業振興地域では法律上、農業以外の活用はできず、指定を外すことも難しい状況です。
結果、農業もできず、別の活用もできず、耕作放棄が進み、荒地となっていくこととなります。
このような状況を打開するためには、国や県に法律改正を含めた抜本的な制度改革が求められます。そして行政、大学を含めた研究機関、企業が一体となって農家を支える仕組みを作る必要があります。
遠藤に農家レストラン「いぶき」があります。ここは、農業振興地域で、通常であれば規制で建築物が建てられない中、内閣府による特区を活用し、規制緩和による農業経営の新たな姿として注目されています。
このような規制緩和による好例がある藤沢だからこそ、将来を見据えた改革の声をあげていきたいと思います。
能登地震に学べるか。3月29日 |
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