藤沢 トップニュース教育
公開日:2022.10.14
部活動指導員 7校で欠員
人材確保 難しさ浮き彫り
学校外の人材が中学校の部活動を指導する「部活動指導員」を巡り、藤沢市の市立中学校で思うように配置が進んでいない。市教育委員会は19校に1人ずつの配置を目標に掲げるが、導入から3年目の現在も12校にとどまる。受験条件や平日夕方などの勤務体系がハードルとなっており、人材確保の難しさが浮き彫りになっている。
部活動指導員は部の顧問が不在でも外部人材が中学や高校の部活動を指導したり、生徒を大会に引率したりできる制度。教員の働き方改革の一環として、文科省が2017年度に制度化した。
藤沢市でも2020年度から部活動指導員を導入。市教委によると、部活動指導員を配置しているのは市内公立中学校19校のうち12校(10月12日現在)。人員や配置校が入れ替わっているが、初年度以降、校数の変化はないという。
導入が進まない理由として、市教育指導課は「応募資格と勤務体系が合致する人が少なく、応募自体が少ない」と打ち明ける。応募条件は▽教員免許保持者▽部活動指導者・地域指導者として実績がある▽日本スポーツ協会の公認指導員資格を有する―のいずれかに該当する必要がある。
市が会計年度任用職員として雇用し、平日の夕方を中心に大会や練習試合などの際は土日・祝日にも勤務となる。4週あたり60時間以内の規定で給与は時給1415円。これまでの応募者の状況を踏まえ同課は「資格を満たす人自体が限られる。給与面から別の本業とかけ持つ想定の人が多く、一方で本業の勤務時間との調整が難しい」と説明する。
生徒の思い守りたい
羽鳥中学校バレーボール部では初年度から部活動指導員を配置している。指導員の橋本晋二さん(61)は日本スポーツ協会ライセンス保持者。
同部は数年前まで部員が少なく休部状態が続き、顧問の異動が重なって廃部の危機に陥ったが20年度に橋本さんが着任したことで部活動の継続につながった。橋本さんは「自身の成長を助けてくれたバレーボール。競技に取り組みたい子どもたちの思いを守りたい」と語る。
また片瀬中野球部では、元教員で同部顧問だった藤原久永さん(63)が指導にあたる。「職場を離れても生徒たちの指導が続けられることがやりがい」という。
市教委は「質の高い部活動指導を継続するために欠かせない役割と期待している。部活動地域移行も進む中、広く地域の力を借りたい」と事業への協力を呼び掛けた。
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