藤沢で出会った魂揺らすアフリカのリズムに魅せられ、長年愛した西洋音楽との融合で新たなメロディーを生み出す――。NHK交響楽団、東京交響楽団の首席奏者などを歴任したクラリネット奏者・磯部周平さん(鵠沼松が岡・74)がこのほど「コモデヌ第一番」を作曲した。地域初披露を予定していた25日の遊行寺でのイベント「アフリカ縁日」が悪天候のため中止となってしまったが「地元への感謝も込め、いつか藤沢で披露したい」と意気込む。
「コモデヌ第一番」を作曲
犬の散歩中に聞いた不可思議なリズムが気になっていた。コロナ禍をきっかけに近所に住む友人宅前に置かれた「ジャンベ教室」の看板を訪ね、「気付けばアフリカ音楽の世界に取りつかれてしまった」。
出会ったのは、藤沢から世界にアフリカ音楽の魅力を発信しようと活動する湘南アフリカモン協会のアラカリ大輔さん。ジャンベは西アフリカの打楽器で、「カン・トン・ドン」の3種の音を使い分けて演奏する。妻で同じくクラリネット奏者のみほさん(64)は「3音だけのはずなのに、リズムの組み合わせでメロディーが聞こえてくる、魔法のような音楽」と話す。
「これまでの演奏家人生の常識が通用しない世界でありながら、根底に音楽の源流を感じるところ」。クラリネット歴60年超、現在も数々の公演をこなしつつ東邦音楽大学特任教授として教鞭をとる身ながら「毎週通い、3年やって、まだ劣等生」と苦笑する。
「コモデヌ」はアフリカのリズムの一つ。「みんなで演奏するのが本当に楽しくて。自分にしかできないアフリカと西洋音楽の橋渡しで、アラカリさんと地域に恩返しがしたい」と、アフリカンリズムをクラリネットで表現する新たな音楽を模索。昨年9月、5人のトップクラリネット奏者による演奏会で初披露した。反響は高く「クラリネット業界でアフリカブームを呼んでいるみたい」とにっこり。
次回のイベントは調整中。「早く藤沢の皆さんの前で演奏したいです」
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