藤沢市は先月24日、稲荷にある老人福祉センター「やすらぎ荘」の利用者を対象に、「やすらぎ荘の『これから』について」の説明会を開いた。同館の利用者・新規登録者数の減少や維持・修繕コストを説明。今後の具体的な計画は発表されないままで、一部の利用者からは「閉鎖するのでは」と不安の声も上がっている。
やすらぎ荘は1969年に開設され、今年度は9月末まで延べ約1万8000人が利用。陶芸や卓球、麻雀などのサークル約50団体が活動の拠点としている。
シニア世代を中心とした市民の憩いの場として親しまれている一方で、誕生から半世紀以上が経過し、建物は老朽化が進行。また館内にエレベーターがないことなど、機能面と設備面での課題もあった。こうした状況を踏まえ、市では2021年9月に「第3次藤沢市公共施設再整備プラン」でやすらぎ荘再整備の検討概要を示すなど、対策案を講じてきた。
今回行われた説明会で市は、年間利用者数がコロナ禍前より3万人以上減少していることや利用者の固定化、年間7千万円を超えるランニングコスト、過去5年で約900万円の修繕費が発生したことなどを説明した。今後については「現施設の延命化が難しい状況。皆さまからのご意見などを反映し、議論を深めていきたい」と結んだ。
一連の説明を受けた利用者の一人、藤原吉弘さん(85)は「後ろ向きな姿勢で、どこか他人事の印象。閉鎖・廃止などの意向を持っているようにも思えた」と懸念する。藤原さんは同館でカラオケサークルと英語サークルに所属し、月2回ほど活動している。「やすらぎ荘は我々シニア世代が人との交わりを通じ、さまざまなことにチャレンジする場」と強調。バス本数の減少など不便な面もあり、「市は具体的な代替施設案を示してほしい」と、鈴木恒夫市長に移転先の候補などをまとめた書面を提出した。
市は今後策定予定の「第4次藤沢市公共施設再整備プラン」で同館についての方針を示す見込みで、「市民や利用者の皆さまに向け、説明を重ねていく」としている。
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