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藤沢 社会

公開日:2025.09.19

レディオ湘南 田畑さん
「言葉は受け取る側のもの」
がん体験から得た心得

  • 治療中の今もマイクに向かって幅広い情報を届ける田畑さん

 日本人の最も多い死亡原因で、2人に1人が一生のうちに一度はかかるといわれるがん。9月の「がん征圧月間」に合わせ、乳がん手術を経験した「レディオ湘南」のパーソナリティー、田畑智朱希さん(47・善行出身)に、がんの発見から治療を通じた心境の変化などを語ってもらった。

*  *  *

 ――がん発見の経緯と告知された時の率直な気持ちを教えてください。

 「右胸のしこりが気になっていました。健康診断ではなく、別の手術で2019年4月に市民病院に訪れた際、泌尿器科の先生に相談すると『検査受けてみたら。医師が嫌だったら変えればいいし』と勧められたことで楽になり、乳腺外科でエコー検査をしました。でも判定は微妙で、白黒はっきりさせたい私は精密検査を受けました。その時、がんが見つかりました。人生で初めて死を意識しただけでなく、全摘か、部分切除か、胸や髪がなくなって見た目も変わってしまうのか、など不安があふれ、鏡の前で毎日泣いていました」

 ――手術から治療までの流れは。

 「手術日や必要な検査日を決めなければならなかったため、落ち込む暇はありませんでした。同年6月に手術し、4日間入院した後、すぐに仕事に復帰できました。不幸中の幸いで、私の場合はがん初期にあたるステージ1だったので、術後は放射線とホルモンの治療だけで、抗がん剤治療はなかったです。ただ胸は2倍くらいに腫れ上がって痛かったり、ホットフラッシュの症状が出たりして、つらかったです」

 ――がんを乗り越える上で支えとなったのは。

 「レディオ湘南で番組をしていた麻倉未稀さんも乳がんの経験者で、悩みを話すことで救われ、安心しました。感謝の気持ちでいっぱい」

 ――昨年がんを公表しました。リスナーからの反応はありましたか。

 「『大変だったね。知らなかったよ』という声も寄せられ、何だか頑張ったことを褒められているようでうれしかった」

 ――人生観や仕事の向き合い方に変化は。

 「乳腺外科に3カ月に一度、婦人科に半年に一度行き、服薬も続けています。『大丈夫』と他人から言われても、そんなわけはない。もちろん、しんどいこともあります。私自身、言葉を扱う仕事だからこそ、安易な共感や表現は避けるべきと”はっ”と気づかされました。言葉は受け取る側のものですから」

 ――最後に読者へメッセージを。

 「手術代や治療が長いことなど、当事者にならないと分からないことが意外に多いです。健康で仕事ができることは幸せ。早期発見、治療のため、まずは検診に行くことをおすすめします」

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