鎌倉版 掲載号:2018年3月16日号 エリアトップへ

鎌倉と源氏物語〈第24回〉 将軍惟康親王の更迭と第九代執権北条貞時の内管領・平頼綱

掲載号:2018年3月16日号

  • LINE
  • hatena
鎌倉市佐助辺
鎌倉市佐助辺

 「武士の都」として知られる鎌倉ですが、『源氏物語』と深い関係があることはあまり知られていません。文化薫る歴史を辿ります。

 鎌倉で暮らすようになった二条は鶴岡八幡宮の放生会の見物に行きます。第七代将軍惟康(これやす)親王が到着された際に見たお供の公卿や殿上人の人数の少なさに、「卑しげにも、ものわびしげ」と記しました。けれど、鎌倉武士の平二郎左衛門については関白の振舞にも見えるほど立派と書きました。この人物は、当時の執権北条貞時(さだとき)の乳母夫だったことから権力を欲しいままに恐怖政治を敷いていた平頼綱(よりつな)の嫡男です。

 3歳から26歳まで鎌倉で将軍として君臨していた惟康親王ですが、放生会の日からまもなく更迭される事件が起きます。惟康親王は佐介谷に移され、五日ほど過ごしてご上洛になりました。出立は午前二時。宵からの風雨の悪天候をも押して親王は発たれました。こんな状況にもかかわらず二条は見に行っていて、親王が筵でくるんだ御輿のなかで度々鼻をかむ音が聞こえ、「御袖の涙も推しはかられ」と記しています。

 執権貞時は第八代執権北条時宗(ときむね)の嫡男です。蒙古襲来の心労から時宗が34歳で早世すると、貞時は13歳で第九代執権に就任しました。年若い執権が頼りにしたのが乳母夫として自分を育ててくれた得宗家の執事・平頼綱でした。二条は頼綱の次男・平資宗(すけむね)とは気が合って続歌をする仲になり、鎌倉を離れる頃には関係を怪しまれるまでになっています。出家してもいつまでも妖艶な二条です。

織田百合子
 

鎌倉版のコラム最新6

観音菩薩を訪ねて

鎌倉のとっておき 〈第103回〉

観音菩薩を訪ねて

2月19日号

踏切の傍らにひっそりと

鎌倉のとっておき 〈第102回〉

踏切の傍らにひっそりと

2月5日号

鎌倉で舞い踊る

鎌倉のとっておき 〈第101回〉

鎌倉で舞い踊る

1月29日号

鳩が舞い降りる街

鎌倉のとっておき 〈第100回〉

鳩が舞い降りる街

11月20日号

源氏の御曹司(おんぞうし)に仕えて

鎌倉のとっておき 〈第99回〉

源氏の御曹司(おんぞうし)に仕えて

10月30日号

日本の製紙産業への功績跡

鎌倉のとっておき 〈第98回〉

日本の製紙産業への功績跡

10月23日号

啓進塾 新入塾生を募集

中学受験専門 本当の「賢さ」を育てる 入塾説明会など開催

http://www.keisin.com/

<PR>

あっとほーむデスク

  • 2月19日0:00更新

  • 2月5日0:00更新

  • 1月29日0:00更新

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2021年3月6日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク