湘南鎌倉総合病院の院長に就任した 小林 修三さん 七里ガ浜在住 67歳
まっすぐ進むだけ
○…新院長が描く理想の病院像はこうだ。病気の母親を連れ、不安いっぱいで湘南鎌倉総合病院を訪れた娘。医師の診察を終え、「お大事に」と看護師に見送られる親子。帰り際、娘はうれしそうに母に言う。「この病院に来て良かったね。あとは任せよう」と。
○…9月に院長就任。昨春に先端医療センター、今春には救命救急センター・外傷センターを開設した湘南鎌倉総合病院。最先端医療を取り入れつつ、弱者を取り残さない医療にも心血を注ぐ。「親切でわかりやすく、心地良く。誰にでもやさしい病院でありたい」と語る。
○…大阪生まれ。幼少期、気管支喘息で通院していた。その時、両親の「医者はすごいね」という会話が耳に残り、医師の存在が膨らんでいった。家庭教師に付いてくれた学生が医大生で、「そのお兄ちゃんの影響を多分に受けた。クラシック音楽の魅力をいっぱい教えてくれてね」と口もとが緩む。浜松医科大学を卒業し、腎臓内科を専門に大学病院などを経て、23年前に湘南鎌倉総合病院へ。副院長、院長代行を歴任してきた。
○…オフの顔はさまざま。ゴルフ、釣り、ワイン。そして、「家庭教師に習った」クラシックでは、自身もクラリネット奏者としてプロと共演。理事長を務めるNPO法人「癒しの医療を考える会」でも、医療講演とコンサートを融合したイベントを開催している。
○…『救急を断らない』で知られる同院。新型コロナの感染が拡大した8月には、県内外から過去最多となる2400件の救急搬送を受け入れた。実に15分に1台、救急車が飛び込んで来た計算だ。「断らないだけではなく”質の高い断らない医療”を追求していきたい」。訪れた人の喜ぶ顔を見るためにも。
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