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大船中央病院に聞く 前立腺がん治療の小線源療法 全国で21年間に5万5千人が治療選択
がんの中でも、日本人男性の罹患者が最も多いのが前立腺がん。1年間に診断を受けた患者数は9万6千人に上り、胃がん・大腸がん・肺がんと同様に、身近な病気の1つに数えられている。
前立腺がんは、さまざまな治療が確立されている中で、2003年に医療認可され、21年間で国内約5万5千人が治療選択したのが「小線源療法」。そのうち4千例以上の治療に携わったのが、大船中央病院・前立腺がんセンターの斉藤史郎医師だ。
生活の質を維持
小線源療法は、放射線を出す小さなカプセルを前立腺に埋め込み、そこから放射線を放出させることで、がん組織を内部から破壊する治療法。目標とする臓器や部位に体の外から放射線を照射する外照射治療に対し、小線源療法はがん病巣のすぐそばで強いエネルギーを出す内照射治療で、直腸や膀胱など前立腺周囲での線量を少なく抑えられる利点がある。
さらに斉藤医師は、「ロボット手術を含めた前立腺全摘手術と比較すると、体への負担が軽い」と話す。治療は全身麻酔をしたうえで1時間程度。入院も3泊4日と短期間だ。性機能の温存率が高いのも特徴で、「尿失禁が起こりにくく、QOL(生活の質)の維持も期待できます」(斉藤医師)。
斉藤医師が以前勤務した東京医療センターの統計によると、小線源療法は非再発生存率(再発しない確率)と疾患特異的生存率(前立腺がんで死亡しない確率)が高いのも特徴。「小線源療法を治療した1427人が対象の約15年間の疾患特異的生存率は 98・6%」と説明する。
年100件の症例数
同院では、小線源療法の治療実績が国内で最も多い斉藤医師が就任した4年前に、前立腺がんセンターを開設。それ以来、県内外から患者が訪れるようになり、年間30件ほどだった症例数も直近3年間は約100件で推移する。また同院では、前立腺がん以外のがんに対する放射線治療も実績があり、前立腺がんに関しては泌尿器科医と連携を図りながら医療体制を整えている。
同院では、これまでの診療経験や技術を生かし「前立腺がん相談外来」(予約制)を毎週火曜日と水曜日の午後に開設。斉藤医師は、「前立腺がんによる死亡率は他のがんに比べると低く、早期に見つけることができれば、完治を目指せます」と話す。
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