茅ヶ崎の轍(わだち) 第45回(後編) 道編「赤羽根の道」 協力/茅ヶ崎市文化資料館
堤道・赤羽根道
赤羽根の稲荷山宝積寺の東側にある上赤羽根堤線の交差点から、北(山側)に登る坂道は西の坂といいます。この名は上赤羽根集落の西にあるから、または坂の西側にある、江戸時代に赤羽根村の名主を務めた小沢家(歌人の村野もと子の生家でもある)が村人から大西と呼ばれていたので、大西の坂や西の坂と呼んだことに由来するようです。
この坂を登って行くと、西側に天王山といわれる所があります。この辺りには明治の初め頃まで上赤羽根集落の鎮守で牛頭天王(お天王様)が祀られていましたが、現在は八雲大神と改称し下赤羽根の神明大神に合祀され、神輿堂だけが坂を下った辺りにあります。天王山辺りを左に入り、堤、芹沢へと続く道は堤道といい、堤の集落から見た場合は赤羽根道といいます。
宝積寺の山門前に庚申塔(造立年代は不詳)があります。道標にもなっていたようで、側面に「右芹沢道左□村道」(□は堤と思われます)と記され、昔はこの道筋にあったものと思われます。昭和35年(1960)頃にゴルフ場の建設に伴い敷地内の道は廃道となり、その道筋も今は定かではありません。この道の付け替えでできた道路が、現在の上赤羽根堤線です。
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