茅ヶ崎の轍(わだち) 第46回(後編) 道編「芹沢の道」 協力/茅ヶ崎市文化資料館
腰掛神社前の道を北西に歩みを進めると、小出川の両岸に水田が開け、谷戸の北側外周を巡る「根通り」といわれる道に出ます。丘陵のへりをうねうねと通る道の様子からこう呼ぶのだそうです。東は藤沢市の大黒橋の辺りから西は下寺尾の北方の辺りまで続く根通りは、農道や生活道路として、芹沢に暮らす人たちに役立ってきました。
昭和51(1976)年から平成8(1996)年3月まで、地元の人たちによって土地改良が施工され、この道も拡幅され道路の新設などが行われました。この辺りの水田の用水は、谷戸のしぼり水(湧水)や小出川に2、3カ所のせきを造って賄っていましたが、小出川の河川改修、土地改良や道路の改良で水の通りが改善され、現在では改良区のほぼ西半分の水田が相模川左岸用水から取水し、東半分が小出川よりポンプアップして用水を得ることができるようになりました。
根通りを行谷方面へ進むと追出橋があります。昔、この橋の辺りで稲につく害虫を追い出す虫送りの行事を行っていたので、この名が付いたといわれます。
永い年月を経てもなお、芹沢の谷戸は四季折々の豊かな表情を見せ、道行く人の心を和ませてくれます。
【参考文献/茅ヶ崎市史】
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