茅ヶ崎の轍(わだち) 第47回(前編) 道編「藤沢一之宮道」協力/茅ヶ崎市文化資料館
市内の道で、藤沢方面と寒川町の一之宮とを結ぶ道は、大山道のほかに市内の北部にもあります。これは現在の上赤羽根堤線と堤下寺尾線にほぼ平行している道で、地元では「藤沢一之宮道」と呼んでいます。
古老の話によると、昔、多くの集落がこの道沿いにあり、堤の人たちが買い物をするときは茅ヶ崎方面ではなく、この道を通り、藤沢か一之宮方面へ出掛かけたそうです。
この道を東原交差点の北側辺りから西へ歩くと、交差点のすぐ先は坂道になっています。この坂は「鍛冶坂」といい、大庭景親が小ヶ谷(藤沢市大庭)でたくさんの軍馬を飼い、馬のてい鉄をこの辺りで作っていたという言い伝えがあるそうです。また道普請のとき、鍛冶の遺物や器具の一部が出土し、野鍛冶跡ではないかといわれていたそうです。
この坂を進み、西へ下った辺りは大上の集落です。集落に隣接する市民の森の入り口近くに八王子神社があり、境内にある1804(文化元)年造立の庚申塔を見ると、向かって右側面に「西一之宮道 東ふじ沢道」、左側面に「なんご道」とあり、八幡姓4人の名が刻まれていますが、この「なんご道」がどの道を指しているのかはわかりません。
【参考文献/茅ヶ崎市史】
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