たんじゅん農法を広める活動をする 長谷 享さん 西久保在住 42歳
半分農家、半分自由な旅人
○…肥料や農薬を使わない「たんじゅん農法(炭素循環農法)」で農業を営む「半農半自由な旅人」。11月12日(土)から香川公民館で小学生と保護者を対象に、木枠で作った「農場」で土づくりから種付け、野菜の販売までの一連を指導する講座を開催する。「小さい時の土いじりが、将来かけがえのない体験になる。農業を通じて子どもたちの食育に役立てば」と意気込む。
○…東日本大震災がきっかけで食に関心を持つ。泥のはき出しやEM菌による土の除染など1カ月ほど被災地でボランティアに従事。そこで体内に入った放射能を体の外へ出す食べ物がある事を知り、食の重要性に目覚めた。その後ライフワークでもある旅を通じて自分を見つめ直し「自分の道は食の提供」と13年勤めたIT系商社を退職。自然食とジュースを提供するカフェを茅ヶ崎に開き、夢だった「IT産業のメッカ」であるシリコンバレーと関わる人生を捨てた。しかし料理より食材そのものの力に関心が高まり、2年で店を閉め農家に転身。「先走る性格でやらないと気が済まない。前に進むことで仲間に助けられながらも道が開けた」と微笑む。
○…出身は大阪。小学校1年の時、両親のすすめで一人で東京へ出掛けたことをきっかけに旅好きに。「気が乗らなかったけれど、行ったら楽しくて」。そこからは旅がいつもそばにある人生で、大学時代もバックパッカーで飛び歩いた。「旅で出会った人が自分を変えてくれた。人生にとって重要だった」と振り返る。
○…3児の父。現在は1歳の末っ子を連れ農業に悪戦苦闘する毎日。しかし半分は講演などで全国を巡る「旅人」生活を送る。「たんじゅん農法は雨が降っても土が流れず、地下水もきれいで環境に優しいので全国に広めたい。また耕作放棄地を再生し、地産地消を薦めるための畑を茅ヶ崎で持ちたい。やりたいことはたくさんある」。夢のためこれからも前に突き進む。
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