市美術館で「摩訶不思議動物園」を開催している茅ケ崎養護学校の総括教諭 三輪 和子さん 54歳
誰でもアーティスト
○…初の学校単独展。「大事なのはモチベーションの維持。自分で決め、やり抜いた事が力になる」と個性さまざま、創作意欲に燃える子どもたちを温かく見守る。「私”意欲”に弱いんです。作りたい、見てほしい、生徒から飛び出るキラメキを、全力で応援したくなってしまう」と目を細める。
○…茅ヶ崎の旭が丘出身。花、動物、人、幼い頃から描きたいものが溢れ、ペンを持てば「文字より絵」といった子だった。北陵高校の演劇部で、観客を巻き込み空間全体で作品を作る楽しさに魅せられた。「とにかく作るのが好きで、さらに見てもらうのが好きだった」と笑いながら振り返る。多摩美術大学で陶芸を専攻し、既成概念に囚われない作風で個展も多数開催した。「アートは自由でこんなにも楽しい。小さい時は身近に創作を楽しんでいたはずなのに、大人になると、気付けばアートは非日常になってしまう。その架け橋になりたい」と卒業後は美術の教師に。横須賀や平塚のろう学校などを経て、約10年前に茅ケ崎養護学校へ赴任した。
○…13年前に出産、自身の子育てから、教育における「褒め」の大切さを再実感した。「皆自慢の生徒たち」と話す朗らかな笑顔は、生徒たちの心の拠り所の1つに。仕事と家庭の両立で忙しく、通勤時に車で聴くピアノが癒しの時間。「息子がピアノ好きで」と少し照れたように笑う。
○…参加している生徒は決して皆が美術の道に進むわけではない。「創りたい。ただそれだけの想いが原動力。すごいですよ」と、生徒ら渾身の展示を前に、言葉に熱がこもる。「誰でもアーティストになれる。なんにでもなれる、なんでもできる。子どもたちの作品を見ると、それを改めて実感し、胸が熱くなる。たくさんの人に見てほしい」
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