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茅ヶ崎・寒川 トップニュース社会

公開日:2020.07.10

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料理をアートに昇華
ケータリングで魅せる世界観

  • 武田代表とパートナーの佳歩さん(中海岸のアトリエにて)

 最先端の調理法やこだわり抜いた食材を素材にした美しく華やかな料理と演出で、ゲストの記憶に残る時間を提供する出張ケータリングサービス『PINT株式会社』。シェフやデザイナー、装花や音響担当など、少数精鋭がクリエイティビティーを駆使して美食を追求する同社の代表・武田心さん(34)に、中海岸のアトリエで話を聞いた。

公務員から料理長へ

 高知県で生まれ育った武田さん。高校卒業後は高知県庁に勤務し、その後、”食”を仕事にするため退職して神戸へ。芦屋のフレンチレストランの厨房に入り、包丁の握り方など一から厳しく指導を受けた。

 そして、料理未経験だった若者が、1年後には新規オープンレストランの料理長に抜擢された。「誰にも負けたくない気持ちはあったけれど、お客様の笑顔や”美味しかった”という言葉が自分を鼓舞させた」と振り返る。

 基礎から応用まですべてを学び、さまざまなジャンルの料理を身につけた後、2011年、25歳で三宮(神戸)にスペインバルを開業。2カ月で黒字化した。

 世界屈指の美食の街、サン・セバスチャン(スペイン)へも修行に赴き、五感が研ぎ澄まされた半年間。帰国後は、店のBGMや照明などの空間演出にもさらに力を入れ、独創的な料理を表現していった。

一生記憶に残る料理と空間を

 新たな創造をインプットする暇もなく、がむしゃらに働いてきた。停滞するのは目に見えていた。さまざまな可能性を模索するなか、たどり着いたのがケータリングだった。

 2014年に神戸で『PINT株式会社』を設立し、”一生、人の記憶に残る料理と空間を提供する”ことをコンセプトに、関西方面を中心に企業や個人のレセプションやウェディングを手掛けてきた。

世界一を目指す

 こだわり抜いた食材と色鮮やかな料理はすべてオーガニックで、色付けも天然由来の素材から分子破壊して抽出し行う。また、開業当時からサスティナブルな取り組みもしており、竹や間伐材、陶器をはじめ、時にはゼロから器やカトラリーを制作することもあり、基本的にプラスチックは使用しない。さらに、廃棄食材は作品を彩るディスプレイの一部にするなど、こだわりは尽きない。「ケータリング業界世界一」を目標に掲げている武田さんの信念がそこに光る。

 『アートを食べる』をテーマにした革新的な作品は、国内外の企業やブランドから注目され、都内での仕事が大半を占めるように。趣味のサーフィンと仕事を両立させるため、半年間じっくりと物件を吟味し、2016年に中海岸にアトリエを構えた。近くで自社農園もはじめ、食とライフスタイルを提案するほか、アトリエでは、仕事のパートナーで妻の佳歩さん(29)が、ヨーロッパでのバレエダンサー経験を生かしたバレエ・ヨガ教室も行っている。「茅ヶ崎は人が温かくて、住めば住むほど好きになります」。夫婦一致の意見だ。

 7月末からは料理教室をオンラインで配信する準備も進めている。「楽しみにしていて下さい」

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