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茅ヶ崎・寒川 コラム

公開日:2022.04.01

連載Vol.2
世界が切り替わる魔法の言葉

 鍼灸師・カウンセラーの鈴木友紀子さんによる、人生を大きく変えた一言や救われた一言、それにまつわるエピソードと「言葉の持つ力」について紹介する連載コラムです。



気持ちを解いた一言 「いるだけでいいんだから」



 大病を患っていたKさん。思うように身体が動かず、日課だった奥様の送迎もできなくなり、悲しまれていました。



 気丈に振る舞われているものの、Kさんの悔しさや不甲斐なさが伝わってきて、こちらまで胸がぎゅっと痛くなりました。



 そのことを奥様にそっとお伝えすると、奥様はにっこりと満面の笑みを浮かべて「何言ってるの、パパはいてくれるだけでいいんだから」と横たわっているKさんの手をとって優しくさすりました。



 その瞬間、Kさんの目から大粒の涙が、こぼれ落ちました。



 いるだけでいい―なんて優しい響きでしょう。



 人は働き者にできていますから、何かの役に立っていないと、いる価値がないと思ってしまいがちです。けれど、その人がいてくれることが、頑張れる原動力になっていたりします。



 いるだけでいい、そう言ってもらえる生き方をされて来たKさんと、そう言ってあげられる奥様の重ねてきた年月と絆に、深い敬意の念が溢れました。



 慌ただしい日常の中でも、支えてくれる人たちの存在に感謝を忘れないでいたいと強く思いました。

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