茅ヶ崎・寒川 人物風土記
公開日：2023.05.12
熊野神社の宮司に就任した
大村 智美さん
小和田在住
｢もっと身近で心安らぐ場に｣
○…小和田に鎮座する熊野神社。父・泰敏さんの勇退に伴い今年２月、同神社の宮司に就任した。神社運営の責任者に当たる宮司に女性はまだ少なく、県内でもほとんどいないという。「父からは伝統をきちんと繋いでいってほしい、と言われましたが守るべきものは守りながら、時代に合った柔軟な運営も心掛けたい。神社がもっと身近で、心安らぐ場所になれば」と笑顔を見せる。
○…「２人姉妹の長女だったので、ぼんやりとですが、幼い頃から自分が継ぐことになるのでは、と思っていた」という。高校卒業後、神職の資格を取得できる國學院大学の神道学科に進学。同じ道を目指す友人たちとの出会いが刺激になったと振り返る。「もともと誰かの役に立てるような仕事がしたかった。学びを深めていくうちに、人々の心に寄り添う神社や神道もそういう存在になれる、という思いがより強くなりました」
○…卒業後は「視野を広げたかった」と一般企業に就職し、20年以上にわたって人事や経理、総務など様々な職務を経験した。「会社全体を見渡して、業務を円滑に進めるための工夫や改善の取り組みなど、得るものは多かった」。その間にも祭式や祝詞を学び直すなど経験を重ね「自信がついてきた」というタイミングでの就任となった。「コロナ禍で止まっていたことが動き出している」と、様々な会合への出席など慌ただしい日々を送っている。
○…リラックスしたい時は、日帰り温泉など旅行に出かける。出かけた先でも神社を見つけるとついつい足を運んでしまうという。「一歩足を踏み入れると、空気が変わり気が引き締まる。神道は日本人の自然への敬意や感謝を形にしてきた。その根幹をこれからも受け継いでいきたい」
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