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茅ヶ崎・寒川 コラム

公開日:2023.09.15

シリーズ「サザンライブ」を待ちわびて vol.1
原点は「砂まじりの茅ヶ崎」

  • 富士見町の「ブランディン」で当時を語る宮治さん

 「特別な4日間」がまもなく始まる―。10年ぶり3回目となるサザンオールスターズの茅ヶ崎ライブ。桑田佳祐さんとその故郷・茅ヶ崎に特別な縁ある人たちにシリーズで話を聞く。第1回は、バンドの名付け親として知られる宮治淳一さん(68)。「竹馬の友」から見た、桑田さんの素顔と茅ヶ崎愛とは?

 現在、カフェ「ブランディン」を経営し、ラジオDJや音楽プロデューサーを務める。桑田さんと同じ小中学校で野球部に所属していたが、交流を深めたのは卒業後のこと。宮治さんが鎌倉高校3年時の学園祭に、鎌倉学園に通っていた桑田さんを同郷だったことから招いた。早稲田大に進学した宮治さんは、藤沢の青少年会館集会室でロックコンサート「湘南ロックンロールセンター」を定期開催。「地元のバンドを」と、青山学院大学の軽音楽部だった桑田さんも参加していたが、桑田さん以外のメンバーとバンド名は都度変わっていた。メンバーが固まったのは1976年のコンサート直前。しかし、前日になっても桑田さんからバンド名の連絡が来ず、ラジオからアメリカのラテングループ「ファニアオールスターズ」の話題が流れ、レコードでニール・ヤングの曲「サザンマン」を聞いた際に宮治さんが思いついたのが「サザンオールスターズ」だった。「その場しのぎで、その後に変えるだろうと思っていた」。

 当時からオーガナイザーとして何十というバンドを見聞きしていたが「コピー曲が多く、オリジナルを作っても耳に残らない大学生バンドの中で、当時からサザンの曲は素晴らしく、群を抜いていた」。

革命前夜は偶然トイレで

 大学生ながら、初めてビクターにライナーノーツ(解説書)を持って行った際に、トイレで偶然となりに居合わせたのが、デビュー直前の桑田さんだった。「(都合上で作った)サザンオールスターズでいくのかよ」との問いに「変えようと思ったけど、始めちゃった以上ね」と笑って答えたという。その後、互いの道それぞれで活躍するとは知らず「今思えば奇遇。確認しておいて良かった」とにこり。

発想 原風景から

 サザンを「ずっと売れているなんて他にない。歌謡曲を守り続け大衆を離さない。日本の歌謡史に燦然と輝いている」と評する。共に過ごした青春時代の茅ヶ崎を「あふれ出る詞やメロディーの発想の原点で、大好きな原風景なのでは」と推測。「だってデビュー曲の1行目が『砂まじりの茅ヶ崎』だよ」と愛おしそうに笑った。

ムーブメントに

 茅ヶ崎ライブについては「もうないと思っていた。彼の思いからだろう。あのレベルのバンドが野球場のキャパシティでやるなんて凄いこと。彼のことだから、やれることは全部やっていくのでは」と思いやる。「みんながハッピーでやってくれて良かったというものにしてほしい」。

 茅ヶ崎は現在、ミュージシャンの転入が多いといい、FMの開局も控える。「今はターニングポイント。人を呼ぶ力が茅ヶ崎にはある。ムーブメントが起こっていくんじゃないかな」

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