振り込め詐欺 新手口で被害5件 直接手渡す “手交型”横行か
平塚警察署によると、今年上半期の振り込め詐欺被害が、市内で5件発生していたことが分かった。被害総額は1250万円で、未然に阻止した件数は8件。昨年1年間の被害は11件(うち未遂2件)であることから、未だ後を絶たない実態がうかがえる。
息子や孫を装うなどして現金をだまし取る振り込め詐欺の被害は、今年上半期の県全体において250件を超え、被害総額は約6億4千万円に上る。最近の手口として、金融機関のATMなどから口座へ振り込ませる”振り込め型”ではなく、現金を犯人へ直接手渡す”手交型”である点が特徴。県内でも増加傾向にあり、市内では発生した5件すべてが手交型だった。
警察によると、ある犯人は「会社の金を電車の網棚に忘れた。今日中に払わなければ」と話し、その後に息子の上司役が再び電話を掛けて信用させ、被害者宅へ出向く人物に現金を渡すよう指示するという事例があったという。同署生活安全課では、「電話でお金の話が出たら振り込め詐欺を疑って。少しでも怪しいと思ったらすぐ警察に連絡を」と呼びかけている。
現金の引き出しちょっと待った
県内の振り込め詐欺被害者は、約8割が女性で、うち70代の割合が約4割。電話帳に電話番号を登録している世帯は、特に狙われやすいという。犯人からの架電時間は11時~14時が最も多く、同署生活安全課の東尚幸課長は、「金融機関店舗が閉まる15時までに駆け込ませようとする意図があるのでは」と話す。
平塚警察署では、下記チェック項目をビラで配布し、1つでも当てはまれば”オレオレ詐欺”に該当するとしている。
◇最近「電話番号が変わった」という連絡があった
◇振り込みを息子や孫などから電話で頼まれた
◇今日中に振り込んでほしいと言われた
◇振込先の口座名は知らない人である
◇現金を知り合いに渡してほしいと言われた
1つでも該当する場合はすぐに警察へ通報してほしいと呼び掛けている。また、同署では金融機関と連携を図り、職員に向けた講習会を開催したり、他地域での発生状況や市民からの通報を即座にFAXしたりと、職員の自主防犯意識向上に協力している。まとまった金額を引き出す客への声掛けを職員が積極的に行っていることもあり、市内の金融機関等で、今年は8件が水際で食い止められた。
一方で、その状況を見越してか、犯人が「現金を引き出す際に職員に用途を聞かれたら、リフォーム代と言って」などと忠告し、怪しまれないよう、事前に工作する場合もあるという。
同署では、町内会や老人会の会合で出張講習も行っており、東課長は「要望があれば、署まで連絡してほしい」と話している。
■平塚警察署
【電話】0463・31・0110
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