第89回箱根駅伝で優勝した日本体育大学で6区を走った 鈴木 悠介さん 平塚市出身 21歳
「あと一歩」の悔しさバネに
○…「正直、びっくりしました」と、優勝の感想を率直に話す。初出場の箱根駅伝で山下りの6区を走り、30年ぶりの古豪復活に貢献した。主将である服部翔大(しょうた)選手から1位で受け継いだ襷(たすき)。「嬉しさと同時に、前日はとても緊張した」と当時の心境を語る。主将が作ったタイムの貯金、後に控える頼もしい仲間、これまでの厳しい練習――。一つ一つ思い出し整理することで、いい緊張感と平常心で当日を迎えた。
○…2年の時、先輩に「下りが上手い」と褒められたのがきっかけで、6区の走者を目指した。山登りの5区同様、適正が求められる特殊な区間。筆頭候補に名前が挙がるも控えで終わってしまった昨年の悔しさをバネに、下りの練習に注力した。特に「自分の弱点」と分析する体幹を鍛えるトレーニングに重点を置き、安定感のある走りを手に入れた。コースとイメージを頭に叩きこみ望んだレース当日。59分33秒のタイムで箱根路を快走し、2位と2分22秒差で襷を繋いだ。
○…生れは平塚。中原中出身で、陸上は中1で始めて以来長距離一筋。「走るのが楽しい」と笑顔を見せる。中・高時代は「あと一歩で全国に行けない選手だった」と分析し、「去年の”あと一歩”が本当に悔しくて。あの悔しさがあったから今の自分がある」と自分の中の転機を語った。
○…今後は「余裕が出来たら免許が欲しい。車が好きなんです」と大学生らしい一面を覗かせるが、駅伝の話になると一転、アスリートの顔に戻る。「チーム優勝は嬉しいが、個人の区間7位には満足していない」と真剣な眼差し。59分台が歴代最多だったという今大会6区。強豪の同学年選手が、来年もライバルとして立ちはだかるからだ。「弱点克服で新たに見えた課題もある。それを改善し、来年の出場と優勝、そして区間賞目指して頑張りたい」と、慢心することなく次を見据えた。
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