里山をよみがえらせる会の会長を務める 荒井 啓三さん 市内纒在住 64歳
元気の素 里山でチャージ
○…「『ここに来るとホッとする』。そういう人は多いですね」。土屋地区の丘陵地に挟まれた谷戸と呼ばれる谷あいの田畑。コスモスが風に揺れ、園児の声が雑木林から聞こえてきた。面積約1万7200平方メートルに及ぶ、里山をよみがえらせる会の活動場所だ。市民や地元大学生らと6月に田植えした稲が実り、10月4日に稲刈りをする。前会長の故小清水四郎さんの跡を継ぎ、会長を務めて間もなく1年。「苗の手配や作業指導など小清水さんがいろいろと段取りし、尽力してくれたことに感謝です」と語る。
○…休耕地が増え、雑木林が荒れゆく様に「かつての里山を取り戻したい。里山で遊んだ子ども文化を残そう」と、同会は14年前に発足。篠竹が密集する雑木林で間伐と下草刈りから整備を始めた。活動は稲作やそば・椎茸の栽培、荒田に花を咲かせる取り組み、市や大学と連携した農業体験、環境教室など多岐にわたる。里山を開放し、市内外の小学生や幼稚園児らの受け入れも行う。「昆虫や沢蟹を捕まえたり、落ち葉滑りをしたり、子どもは自分で遊びを見つけている」と柔和な笑みを浮かべる。
○…群馬県館林出身。結婚後、平塚へ移り住む。平らな土地が故郷と似て、身近に山が見えるのが気に入ったと話す。子どもの頃、家の農作業を手伝うことはあったが、同会に参加してから学んだこともあるそうで、例えば田植え後の水抜き。「ふわふわ立っている早苗をしっかり根付かせるために田んぼの水を一時抜くのです」。米作りもすっかり板についている。
○…技術者として環境に関わる機器製作などに携わり、2年前に定年退職した。生きがい事業団会員。大学図書館で受付の仕事や知人に頼まれデイサービスで手伝いをすることも。日々幅広い年代と交わる。最近、囲碁を始めた。里山周辺の農道を散歩する人をヒントに「ここを起点にハイキングコースを作れたらいいですね」と抱負を語る。
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