5月に開催された2016世界クラシックベンチプレス選手権大会で優勝した 小林 ナオコさん 西真土在住 46歳
世界舞台に戦うお母さん
○…5月に南アフリカで実施された世界クラシックベンチプレス選手権大会マスターズI47kg級に出場した。143cmの小柄な体で持ち上げた92・5kgが、自己ベストと日本記録、世界記録を更新。世界王者のタイトルを獲得したが「もっと記録を伸ばしたかった。初めての世界大会というだけですごく緊張してしまった」と残念そうに口をとがらす。
○…日系ブラジル人3世。27年前に出稼ぎのため来日した。故郷では、6人の兄弟姉妹と一緒に家業のブドウ畑の仕事を手伝った。「自分たちで出荷用の箱を組み立てた。家族みんなで手伝うのが当たり前でした」。グアバやマンゴーの木に登って遊んだことや、父にバイクを買ってもらったことなど、故郷での思い出は今でも鮮明だ。10年ほど帰国していないというが、「SNSでつながっているので、今回の優勝も喜んでくれた」と、海の向こうの家族からの声援に笑顔がこぼれる。
○…胸元で光るバーベルの形のネックレスが宝物だ。スウェーデンのベンチプレスメーカーのもので、旦那さんからの誕生日プレゼント。「これ以上の贈り物はないです」と、ネックレスに込められたエールに胸を熱くする。ダイエット中の娘と共に厳しい食事制限を乗り越えているが、「許されるなら、ケーキ食べ放題に行きたい」と本音をぽろり。家族の理解や支えは何よりも力になる。
○…6年ほど前、運動不足解消のために散歩していた総合公園で偶然出会ったベンチプレス。才能が開花したかのように記録を伸ばし、今では「もっともっと強くなりたい。ジムに住みたいくらい」と溢れんばかりの競技愛に目を輝かせる。昼間は工場に勤務し、帰宅後は家事、そしてトレーニングの日々を送る。「自分の時間を作ることは大変なこと。だからこそ同世代の人たちに夢や希望を与えたい」と世界で戦う母として活躍を誓う。
|
|
|
<PR>
|
|
|
|
|
|