市民団体「須賀の寺子屋」を立ち上げ、子供たちを支援している 大野 文さん 札場町在住 58歳
子供の長所を見極め伸ばす
○…地域ぐるみで、無償の学習支援をする市民団体「須賀の寺子屋」を昨年12月、立ち上げた。家庭の環境や学習障害で自宅学習が困難であったり、経済的事情などから学習塾に通うことが難しかったりする港地区の小中学生を対象に毎月2回、個別指導を行なっている。体格は小柄ながら「やると決めたらとことんやる」と頼もしい。「子供たちの勉強のつまずきを解消して、地域の青少年を健全に育成したい」と瞳を輝かせる。
〇…明石町で生まれ育ち遊び場は商店街。男勝りの性格から友人たちとアーケードの上を駆け回って怒られたこともしばしばだった。高浜高校では、写真部として湘南の名所を撮影に訪れ、青春を謳歌した。専門学校卒業後は、デザイン事務所や保険会社、博物館の嘱託職員と、多様な職に触れ経験を培う。27歳で結婚し、3人の子供を授かると30代、40代は子育てと親族の介護に奮闘しながらPTA役員を務めるなど、教育に高い関心を寄せてきた。
〇…48年間続けているガールスカウトでは、湘南ひらつか七夕まつり閉幕後の清掃や駅前募金など、子供たちと一緒に社会奉仕に励む。一方で、50歳になってから保護観察中の人の更生を手助けする保護司も務めている。こうした活動が、寺子屋づくりのきっかけになった。「ガールスカウトの子供たち、保護観察中の人たちの双方と交流して、小中学校の勉強のつまずきをなくすことが健全育成に必要だと気付いた。貧困の連鎖を断ち切るためにも彼らの勉強をサポートしたい」
〇…「子供が好き」という気持ちがすべての行動の原動力になっている。「子供には無限の未来がある。それを想像するとワクワクする」とほほえむ。一昨年には、保育士の資格を5年かけて取得、須賀保育園を中心に園児への絵本の読み聞かせを行なっている。「大切なのは、子供の長所を伸ばしてあげること」。子供に注ぐ視線は、真っ直ぐ明るい未来へ向いている。
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