「フードバンクひらつか」を立ち上げ、食品ロスと貧困の問題に取り組む 大関 めぐみさん 真田在住 47歳
食に込めた「お互い様」
○…一般家庭や農家、企業で余っている米や野菜などの食品を、生活困窮者や児童養護施設、母子家庭へと届ける事業「フードバンクひらつか」を今年7月に立ち上げた。ボランティア活動に目覚めて2年目。先輩NPOの元へ足しげく通い、勉強を重ねる。「貧困をなくすために、NPOや行政と連携を強めながら、草の根の活動に尽力したい」と熱い思いを秘める。
○…埼玉県に生まれた。音楽系の専門学校在学中に人生の伴侶と出会い22歳で結婚。24歳で長女、27歳で長男を出産し、主婦として生活を送る。2度の転機があった。1度目は東日本大震災を目の当たりにした時。「人のために働きたい」と、41歳で介護資格を取得、訪問介護などに従事した。2度目の転機は45歳の妊娠。市内真田に引越をして我が子との生活を夢見たが流産に。来る日も来る日も自分を責め続けた。
○…そんな折で知ったのがフードバンクだった。「我が子を育てられなかった思いを糧に、母子家庭など困っている人を助けたい」。すぐさま「フードバンクかわさき」の門を叩いた。経験を積む中でスタッフから「平塚からも支援を求める声が多い」と聞くと、市役所へ向かい市内で貧困に置かれる世帯の窮状を知った。「どうにかこの思いを形にしたい」。団体を設立し食品支援のチラシを各地に配ると、読者から米や砂糖、油、ナシ、お菓子などが寄せられた。初めての配達で向かった先は、5人の子供を抱えるシングルマザー。お米と子供服を手渡した時に見せてくれた安堵の表情は忘れることができない。
○…設立から2カ月を迎え、平塚や小田原、伊勢原、茅ヶ崎から食品支援と配達希望の声が届き、事業は軌道に乗り始めた。「食料を届けるとみなさん『すみません』と謝られる。でももしかしたら自分もそうだったかもしれない。お互い様の気持ちで、困っている人たちに届けたい」と、今日も各地を走り続ける。
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