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公開日:2026.03.21

湘南ベルマーレ、RIZAP決別の舞台裏
元会長・眞壁潔氏が告白

  • RIZAPとの関係やクラブの未来について語る眞壁氏(右)

    RIZAPとの関係やクラブの未来について語る眞壁氏(右)

 Jリーグ・湘南ベルマーレの元会長である眞壁潔氏がこのほど、RIZAP(ライザップ)グループとの資本提携解消に至る激動の舞台裏を明かした。クラブの存続を揺るがした経営危機、日本代表主将・遠藤航選手らを輩出した独自の育成哲学、そして悲願の新スタジアム建設まで――。J1の荒波を生き抜いてきた指揮官が、愛するホームタウンへの思いを込めて語った。(3月18日、平塚経進会=片倉章博会長とのトークセッションより)

「子どもたちのこづかい」を守る

 2018年にRIZAP傘下入りしたベルマーレは、ルヴァンカップ初優勝など栄光をつかんだ。しかし水面下では厳しい経営を強いられていた。

 決定的だったのは、クラブ資金の「一線」を巡る対立だ。昨夏、主力選手の海外移籍で得た数億円の移籍金に対し、親会社側から「利息を乗せて貸し付けてほしい」との要請があったという。

 眞壁氏はこれを断固拒否した。「クラブの資金には、地元の子どもたちがこづかいで買ってくれたチケット代も含まれている。たとえ0・01%であっても、地域の公器であるお金を親会社の都合で流用させるわけにはいかない」。この信念が、今年2月の全株式譲渡による「自立」へとつながった。

経営基盤を固める「第2弾の増資」へ

 今回の体制刷新では、RIZAP保有株をフジタ、アマダ、マッケンジーハウス、日本端子といった地元企業や産業能率大学、新規パートナーのオーセンス(弁護士ドットコム創業者の元榮太一郎氏が設立)が引き受けた。しかし、これは「株主が入れ替わった」だけで、クラブの金庫に直接資金が増えたわけではない。

 眞壁氏は、今後のさらなる飛躍のために「第2弾の増資」が不可欠であることを強調する。「スピード感を優先して体制を整えたが、これからは経営基盤をより強固にするための増資を必ず実行する。キャッシュの不安を拭い、現場が強化に集中できる環境を整えるのが次のステップだ」。現株主らとの協議を経て、資本を厚くすることで「35億円規模」の安定経営を目指す構えだ。

 「35億円あれば、強化費に17〜18億円を割ける。これはかつて広島や川崎が初優勝した規模に匹敵する。優勝争いに絡める」。外からスターを買い入れるのではなく、自前で育て、世界へ送り出す。日本代表主将・遠藤航選手もベルマーレユース出身の選手だ。

 現在、秦野市にユース専用練習場を建設している。教え子たちが残した移籍金を次世代の環境整備に充てる「循環」を、この湘南の地で絶やさない構えだ。

「最後の仕事」としての新スタジアム

 最大の後ろ盾を失うリスクを承知で踏み切った今回の新体制移行。地元企業の支援を再び結集させたが、残された最大の宿題は「新スタジアム」だ。現在のレモンガススタジアム平塚(平塚競技場)では、年間約5億円の収益機会を逃しているという。

 建設費高騰により行政単独での整備が困難となる中、眞壁氏は広域連携と民間の知恵の結集を訴える。役員を退任した今も、この問題だけは自身の「最後の奉公」として向き合う覚悟だ。

 「平塚、湘南という地域は全国屈指のポテンシャルを持っている。ここに強いチームがあり続けることは、次世代の教育にとっても不可欠だ。スタジアムの土台を築くまでは、嫌われ役を買って出てでも走り抜く」

次世代へ託すバトン

 後任の雲出哲也新社長について、眞壁氏は「誰よりも頭を下げて歩ける、現場を知る男」と全幅の信頼を寄せる。

 混乱の時期を乗り越え、再び地域とともに歩み始めた湘南ベルマーレ。眞壁氏は一人のサポーターとして、そしてスタジアム構想の推進役として、ふるさとの誇りであるクラブの未来を支え続ける。

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