平塚まちなか美術館の実行委員長を務める 北澤 桃子さん ギャラリークーカ施設長 35歳
「アートのまち」の仕掛け人
○…今月3日に完成した「平塚地下道ミュージアム」の旗振り役。昨年7月に工事現場の防音フェンスをキャンバスに見立てアーティストが絵を描いた「平塚まちなか美術館」がきっかけとなり、施設長を務めるギャラリークーカ(明石町)のほか、袖ヶ浜の1761スタジオなどに声をかけ、10数人の湘南ゆかりのアーティストで実行委員会を結成した。「平塚をアートで盛り上げる第一歩だと思います」と手応えを感じている。
○…茅ヶ崎市出身。高校卒業後、都内で働きながら専門学校に通い、趣味だったデザインの腕を磨いた。特技を生かし、地元で仕事がしたいと、障害のある人が得意なアート活動を仕事にするスタジオクーカの前身施設に転職。利用者が生み出す作品に「商品としての魅力」を見出し、ポーチやブックカバーなど商品化して世に送り出す。「利用者さんの得意なことで社会と関わってほしい。それを見つけるのが役割です」と、画材や表現方法を提案。クーカのヒット商品の名プロデューサーでもある。
○…「ももちゃん」と慕われる様子に、利用者との信頼関係の深さがうかがえる。感情が安定しない人、人付き合いが苦手な人もいる中、最初は戸惑いもあったが、1対1で向き合い自己表現したいという欲求を叶えることで少しずつ打ち解けていった。「人の気持ちに敏感なのか、沈んでいるのを察して寄り添ってくれる方もいます。かえって元気をもらうことの方が多いです」と、天真爛漫な笑い声の響くギャラリーに目を細める。
○…今年は七夕まつりに飾りを出品したり、地元菓子店の包装紙をデザインしたり、クーカと地域との接点が広がった。「お互いを知らないと、どう接したらいいか分からず遠ざかってしまう。もっと外に飛び出して、みんなの才能やポジティブなエネルギーを発信していきたいですね」と、クーカならではの鮮やかさでまちに彩りを加えていく。
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