共同通信社の記者で1957年の「菅生事件」をスクープした平塚出身のジャーナリスト原寿雄さんの足跡を紹介する展示会が5月19日(土)〜6月17日(日)、市南図書館で実施される。展示を企画した袖ヶ浜在住のドキュメンタリー監督、小池征人さんは「戦後を代表するジャーナリストが平塚にいたということを地域の人に知ってほしい」と話している。
原寿雄さん(享年92歳)は1925年、大野村(現・中原地区)の小作農家に生まれた。平塚農学校在学中に太平洋戦争が開戦すると、繰り上げ卒業となり国鉄へ就職。2年ほど勤めた後、「人生20年、天皇に忠義を尽くして散りたい」と、自身の強い希望で海軍経理学校に入学した。
皇国青年は終戦後、「自由」への憧れを強めた。東京大学進学後、共同通信社の記者として活躍。警察官が駐在所を爆破し共産党員に罪を着せた「菅生事件」を同社の特捜班メンバーとしてスクープした。
「小和田次郎」という筆名で雑誌連載した『デスク日記』は、報道現場でどのように情報の取捨選択がされ、政治や企業の力が働いたかを記録。「権力の監視」「社会正義の追及」という信条を胸に、メディアの在り方を問い続けた。1986年には共同通信社社長に就任している。
原さんは昨年11月、胸部大動脈瘤破裂で急逝した。同展では小池さんが同館の佐伯啓介館長と茅ヶ崎の原さんの自宅を訪ね、家族から提供された資料を展示している。原さんの著書のほか、平塚農学校時代の写真や、直筆の取材メモなどから、原さんの人生を辿る。
小池監督は「学生時代、『デスク日記』が話題になり知っていた。尊敬すべき人。映画監督として直接話を聞きたかった」と展示に思いを込めた。
5月26日(土)と9日(土)には、原さんのインタビュー動画の上映会も予定している。
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