「相州凧の会」会員で、40年以上創作凧を作っている 内田 敏夫さん 天沼在住 83歳
凧あげて 上向こう
○…「凧を愛しているから、地域の人にあげてと言われれば喜んで行く」と目じりを下げる。新型コロナによる外出自粛が続く中、少しでも元気を出してもらおうと17日、NPO法人暮らし・つながる森里川海のメンバーらと共に、馬入の河川敷で「龍」の文字が描かれた相州凧と「がんばろう!日本」の横断幕を大空に飛ばした。「お正月と五月の節句に凧をあげるのが恒例だったけれど、今年はダメだったので、良い機会でした」と顔をほころばせる。
○…凧の魅力に気付いたのは40年ほど前。通勤のため車を走らせていると、辻堂の交通公園で凧あげしているのが見えた。「空に画びょうで貼り付けられたように、ぴたっと止まって見えた。気になって会社帰りにまた見に行ったのが始まり」。愛好家達と遠方の大会に出るようになり、持ち運ぶのに便利なよう、骨組みを折り畳めたり、すだれのように巻いたりして持ち運べるオリジナルの創作凧を作成。「相州凧」と名付けた。
○…東海大学の学生たちとの関わりも深い。東日本大震災の翌年には、同大の「3.11生活復興支援プロジェクト」の学生らと夜行バスで石巻市に向かい、大凧あげと凧作りに取り組んだ。「孫と同年代の子と一緒になって楽しかった。石巻の子どもたちも喜んでくれたいい思い出です」と、今でも大切に新聞記事や当時の資料をスクラップしている。
○…会員の高齢化で、現在「相州凧の会」の活動はないが、平塚市展で優秀賞をとったこともある鎌倉彫や、ろくろから自作した陶芸など趣味は尽きない。「どうやったらうまくいくか考えて工夫するのが楽しい。凧も風によって骨組みを変える。今時期の風はやわらかく、良い時期」と五月晴れに目を細めた。
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