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平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2020.06.25

5月26日付で(公財)平塚市まちづくり財団の理事長に就任した
井上 純一さん
豊原町在住 64歳

地元愛あふれる裏方役

 ○…市民参加型「第九のつどい」や囲碁1000面打ち大会、市民むけ運動教室の開催など、地域の文化・スポーツ振興の中核を担ってきた平塚市まちづくり財団。イベントを多く扱う財団にとってもコロナ禍は、前代未聞の緊急事態となった。公演は軒並み中止。理事長に着任して間もなく、落胆と不安が交錯する職場で訓示した。「皆さんの健康を第一に。その上で仕事について今一度考えを深めてほしい」

 ○…「3密」防止のため、いかなる集客も阻まれるジレンマを抱えながらも「これまでと違う取り組みに挑むのは、やりがいもあるはず」と前向きな言葉で職員の背中を押す。自宅でできるエクササイズを動画配信するなど、少しずつではあるがアイデアのつぼみが開き始めている。「職員の熱意は宝。主役は職員、理事長は裏方役。自信と誇りをもって働ける環境づくりが私の仕事です」

 ○…秦野市に生まれたが、親戚が錦町にいたこともあり、少年時代の思い出は、その多くが平塚の記憶。夜空を埋め尽くす飾りに瞳を輝かせた七夕まつり、ヘトヘトになって国道を歩いた龍城ケ丘プールの帰り道。そんな第二の地元で働こうと大学卒業後、平塚市役所に入庁した。退職までの41年間に2人の子どもは独立。半生を振り返り、こみ上げるのは妻への感謝の気持ちだ。「コロナが終息したら、のんびり列車の旅に連れていきたい」と頭を下げる。

 ○…読書家で、西村京太郎の小説がとくに好き。「全作品の書評を一冊の本にまとめること」を密かな目標に掲げている。「私にとっての小説のように、財団が関わる文化やスポーツは人に潤いや彩りを与える存在。チーム一丸で頑張ります」。大きな使命感を職員と共有しながら、仕事の花を咲かせていく。

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