平塚市が進めている湘南海岸公園龍城ケ丘ゾーン整備・管理運営事業について、落合克宏市長は市議会9月定例会本会議で「塩害と風害の調査を実施する」と答弁した。複数議員の質問に答えた。同事業を巡っては、海岸の樹林を伐採することで塩害・風害が発生することを懸念した地元住民らが今年4月、費用を負担して調査を実施していた。
平塚市が計画している龍城ケ丘プール跡地を含む海岸エリアの開発は、積水ハウス(株)が管理運営の代表企業となり、カフェやコンビニ、イベントスペースの建設が予定されている。
プール跡地を挟んだ東西の樹林帯では計120台分の駐車場や園路等を整備する予定だ。整備に伴い樹林が伐採されることで「飛砂や塩害、風害、津波、高潮等の被害を防ぐ機能が失われるのでは」と地元住民から懸念の声が上がっていた。
今年4月、樹林が持つ防塩機能等を明らかにするため、豊かな海と暮らす平塚市民の会の有川和香恵さんらが中心となり、龍城ケ丘・袖ケ浜・虹ケ浜50カ所の塩害調査を環境計量証明事業所に自費で依頼した。樹林が途切れているプール跡地や樹林の密度が薄い箇所で飛来塩分濃度が高いとの結果が出たといい、調査結果を7月に県、8月に市に提出している。
市は議会答弁の中で、同事業に関して当初の予定通り12月着工を目指しているとし、塩害・風害調査の時期や方法は検討中。「最終案を市民に示すための説明会も予定している」と説明する。当初約38%の樹林を保全するとしていたが、それを上回る保全率での計画を予定している他、整備後も飛砂や塩害・風害のモニタリング調査を行うという。
有川さんは「住民が自ら調査したデータを示したことが良かったと思う。ぜひ一緒に調査しましょうと市に提案したい」としている。
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