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公開日:2024.10.18

平塚市博物館
「子育て地蔵」を展示
岡崎で現在も残る習俗

  • 背負って回されていた小地蔵=同館提供

 江戸時代中期、神奈川県内のほぼ全域で地域内の家々を回っていた地蔵。平塚市内でも回り地蔵の習俗は行われており、「子育て地蔵」として信仰されていたという。平塚市域に住む人々の身近な信仰の形を知ってもらおうと、平塚市博物館では10月19日(土)から秋期特別展「お家(うち)をまわる子育て地蔵」を開催する。

 1762年頃、伊勢原市三ノ宮にある保国寺で100体の小地蔵が作られた。小地蔵は銅製で30cmほどの大きさで、乳児を抱いている地蔵が多いという。当時、体の弱い子や小さく生まれる子が多かったこともあり、同寺の住職だった孝戒(こうかい)が、「子どもが元気に育つように」との願いを込めて作った。100体の小地蔵は、同寺近郷の100の村に勧請され、「子育て地蔵」として地域内の各家を回り祀られてきた。

 同館によると、現在も市内岡崎の矢崎・大畑・西海地地域では回り地蔵の習俗が残っているという。小地蔵は厨子に入り1年中回され、各家には2、3日〜1週間程度置かれる。回って来ると、三角の布に綿を詰めたものに、子どもの生年月日と名前を書いて吊るすという。

 特別展では平塚市内の回り地蔵(田村・真土・城所・北金目・片岡・千須谷・岡崎)、保国寺に納められた回り地蔵、宗源寺(纒)所蔵の大会(おおがい)念仏の道具など約200点が展示される。

 同館学芸員の福田麻友子さんは「子どもが元気に育ってほしい思いは今も共通。展示を通じ当時の生活に密着した信仰を知ってもらえれば」と話した。12月22日(日)まで。午前9時〜午後5時。月曜休館。(問)同館【電話】0463・33・5111

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