河童(かっぱ)が棲める里づくり 中井町関山の河童堂に愛好者ら集う
澄んだ水と空気のあるところに棲むといわれる伝説の河童。その河童を祀っている中井町の里山の祠で、建立3周年を祝う神事が11月26日に執り行われた。河童研究や自然保護活動に取り組む「関山河童堂の会」(相原美智子代表)が主催。各地の河童愛好団体の会員ら約60人が集い、「河童様が棲める環境づくり」を祈願した。
富士山や丹沢を望む、のどかな里山風景のなか。中井中央公園から秦野方面へ通じる町道関山線沿い「萬緑の丘」の麓に河童堂はたたずむ。河童をモチーフにした陶芸が趣味で、河童研究をライフワークにしている相原さんが3年前、所有する山林に建てた。お堂の中にはさまざまな姿をした河童の焼き物が並び、河童の大好物であるキュウリなどがお供えしてある。
河童堂建立3周年神事には横浜市の「港横濱カッパシティ」の会員など、各地から河童愛好者が集まった。神職によるお祓いや祝詞の奏上があり、参列者は河童が棲める水源や環境を守っていくことを誓った。その後、参加者たちは近くの畑でみかん狩りを楽しみ、関山線を散策して境コミュニティセンターへ。関山河童堂の会の活動紹介や、河童をテーマに会員らが創作した童話と歌、河童踊りの披露などが行われた。
同会は会員31名。河童堂を拠点に、周辺で自然観察会や親睦のバーベキューを催しているほか、河童伝承が残る全国各地の「河童村」を訪ねたり、河童愛好者の全国組織「河童連邦共和国」が主催する河童サミットや研修会に参加。また、河童まんじゅうや河童パンづくりなども楽しんでいる。
相原さんは「世の中には見えるものと見えないものがあり、実際には見えない河童は心で感じ取る世界だと思います。河童と人が暮らせる環境を保守し、河童文化を広げていきたい」と話していた。河童堂の下には中村川の源流があり、付近では岩の祠づくりも進んでいる。そこに河童の焼き物100体を置くことを計画しており、作陶に励んでいるという。
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