2007年の台風で損壊した西湘バイパスの復旧工事が2012年3月に終了し、工事で使用して不要になった消波ブロックを再利用する人工リーフの整備が、二宮町の梅沢海岸で進められている。整備工事が計画通りに進めば6月末に完成する。
人工リーフとは、海岸付近に構造物を沈めて浅瀬を作る海岸保全施設。波の力を弱めることで海岸や背後地を守るとともに、漁礁として小魚などを育てる効果もある。
梅沢海岸は、古くから相模湾の漁場として地引網や定置網などの漁業が営まれてきた。しかし、定置網の倒壊や台風、海岸の侵食深刻化などで漁港が完成しておらず、海岸背後地への高波の被害も発生するなど、対策が求められていた。
漁港整備を進めていた町は2009年度、神奈川県からの指示で海岸侵食対策を優先することに方針転換。漂砂調査の結果と財政面から、既設の消波ブロックを利用した人工リーフ整備を計画した。
町では当初、梅沢海岸全体を保護できる長さ100mの人工リーフを計画したが、地元住民や漁業関係者などとの懇談会では地引網の存続を望む声が多数あがり、「背後地の安全を守りつつ漁業との調和をとれるように」と長さ70m、幅22mの大きさに決定した。
人工リーフの設置は、中日本高速道路の協力を得て西湘バイパスの復旧工事で使用した消波ブロックを再利用しており、16t型654個の消波ブロックが使用される。設置費用の6千万円(当初計画予算ベース)は同社が負担する。ブロックを廃棄するよりも安価になるうえ、環境面でもメリットがあるという。
工事作業中は、突堤への立ち入りは厳禁となる。町では今後、人工リーフが周辺に及ぼす影響の検証なども行っていくという。
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