大磯桑原さん ブレイクダンス世界一に 初出場で栄光掴む
ドイツのブラウンシュヴァイクで現地時間の10月18日、ブレイクダンス世界3大大会のひとつBattle of the Yearが開催され、大磯中学校3年の桑原海夕(みゅう)さんと茅ケ崎西浜高校1年の小泉佳波(かなみ)さんのチーム「Kanamyw」(カナミュウ)が「B―GIRL 2vs2 BATTLE」で優勝。チーム結成7年目にして世界の頂点に立った。
大会には各国の予選を勝ち抜いた日本、ドイツ、イギリス、ニュージーランド、フランス、ギリシャの6カ国8チームが出場。トーナメント方式で対戦チームと1対1で交互に技を出し合いジャッジが勝敗を決める。
大阪で5月に行われた日本予選では国内で2人にしかできないという回転技で勝利を掴んだ。世界トップレベルが集う今回は「平常心」を心がけ、日本の著名DJからもらった「ワンムーブに命を賭けてかませ」を合言葉に試合へ臨んだ。
この世界戦のために新技を習得していたが、相手の技にあわせてこちらも即興で技を変えるのが重要。自分たちのやりたい技を出すのではなく、観衆の熱気を惹きつけるダンスこそ勝利を引き寄せる。あえて新技を封印しギリシャ、ドイツを破る。決勝ではオランダの大会を優勝して世界の切符を手に入れた日本人チームとの対戦。「昔ダンスを教わったこともある」という相手だったが、大一番でも2人の集中力は切れることはなかった。ジャッジから勝利を告げられると、喜びの涙を抑えることができなかった。
「このままでは世界で勝てない」
5月の日本予選。最年少で日本代表になった2人は「超新星」「新世代」と話題になったが、決勝でジャッジを務めた世界的ダンサーの試合後のコメントが忘れられなかった。「このままでは、世界では勝てない」。
喜びに浸る間もなく2人は動きだす。求めたのは、スタンディングでの「ダンス」、即興で技の変更にあわせる「対応力」、そして若さゆえ足りない「経験」。
ほぼ毎週、都内から大阪まで大小のダンスバトルに片っ端から出場。集団で円になり即興で踊るサイファーでも力をつけ、連日深夜まで続く練習で必要なものを身に着けていった。
そして今回の世界大会。優勝の第一報が発信されると、日本予選決勝でジャッジを務めたあのダンサーからメッセージが寄せられた。「おめでとう。本当に頑張ったんだね」。
あの日の心に突き刺さる厳しい言葉は、2人への期待の裏返しでもある。見事に応え、若き才能はより高みを目指し羽ばたく。「他の2大会でも活躍できるダンサーになりたい」。桑原さんの世界への挑戦は、さらに続く。
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