人口減少に歯止めをかけ、地方創生へ向けた取り組みを推進するため、二宮町は将来の人口展望を示す「人口ビジョン」と、具体的施策などを盛り込んだ「総合戦略」を策定した。子どもを産み育てやすい環境などを整えるとし、2060年に1万7千人以上の人口確保を目指す。
2015年の同町の総人口は2万8479人。15歳未満人口の割合は10%強、高齢化率は31・5%。人口減少と少子高齢化の傾向は今後も続くと予測される。 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、対策を講じない場合、44年後の60年の人口は1万4376人に半減。45年には老年人口が生産年齢人口を超え、60年に高齢化率が約48%に達する一方、年少人口は約7%まで減る見通しだ。
人口規模を維持するには、1人の女性が生涯に産む子どもの数を表す合計特殊出生率を2・07にする必要がある。人口ビジョンでは、40年・50年・60年の3つの時期までに徐々に出生率を2・07へ引き上げた場合の将来人口を試算した。
推計結果や人口構成が町財政に与える影響なども考慮し、60年までに出生率を2・07へ上昇させるパターンを選択。20〜40代の若い世代を中心に転出超過となっている社会移動を0に抑えることも仮定し、60年時点で同研究所の推計人口より約2600人多い、人口1万7千人以上を維持する目標を打ち出した。
人の流れや雇用つくる
人口ビジョンを踏まえた総合戦略では、将来のまちづくりの方向性と目標実現への具体的な施策、目標数値などをまとめた。ファミリー層を軸に、全世代から選ばれる活気のあるまちを目指す。計画期間は15年度から19年度までの5カ年。
基本目標として「安心なくらしを守り、住み続けられる地域をつくる」「若い世代の結婚・出産・子育ての希望を叶え、子育てを楽しめる環境をつくる」など4項目を定めた。13年度1・19だった出生率は1・4以上を目標値としている。
主な事業は、公共施設の適正配置、地域包括ケアシステムの構築、空き家の利活用、子どもの一時預かりサービス拡充など。自然・文化・教育・観光・人のつながりといった、町の魅力を生かした暮らし方を「にのみやLife」と称して町内外へ提案。定住・転入を促すプロモーションを展開する。起業・開業支援による産業の活性化を図り、人材バンクの設置や就職・就農支援なども進める。
二宮町は、人口ビジョンと総合戦略との整合性を図りながら、16年度から3カ年を期間とする第5次総合計画中期基本計画も同時にまとめた。「この町の強みを最大限に発揮し、『住んで良かった町』を実感、体感できるまちづくりを進めていく」という。
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