神奈川県住宅供給公社は、開発から50年が過ぎた二宮町百合が丘の二宮団地再編事業に乗り出した。老朽化した賃貸住宅28棟を、9年間で18棟に削減し耐震化。共同農園の整備や収穫体験会などで団地生活の魅力を生み出し、若年層、子育て世代の入居を促す。
二宮団地は1962年に造成が始まり、約72 haの開発地に賃貸と戸建、県営住宅など計1892戸が建てられた。入居開始から半世紀が経ち、建物の老朽化と少子高齢化が進行。空き家も目立ち、コミュニティーの維持や団地の活性化などが課題となっている。
同公社では、団地の再生に向けたプロジェクト「湘南二宮さとやま@コモン」に着手。団地のコンパクト化と地域の魅力づくり、入居促進を柱に掲げ、住環境の向上を目指す。
計画では2024年度までに、現在ある賃貸住宅28棟856戸を18棟580戸に再編。建物の耐震診断と改修工事を行い、安心安全な住環境を整備していく。賃貸廃止予定の10棟については、跡地の有効活用を検討する。
農家や住民団体と連携して共同農園を運営するほか、農業体験イベントや古民家演奏会の開催、散策路整備といった事業も盛り込んだ。団地の商店街には共同キッチンを開設し、農園の収穫物を調理して味わうといった「地産地消」の拠点に位置付ける。
住宅施設の魅力アップに
向けては、県産木材を使って入居者の生活スタイルに合わせた間取り、内装に改修するリノベーション制度を導入する予定。
事業着手に際し、同公社は団地の斜面緑地にお茶の苗木100本を植え付けた。5月7日に植樹祭があり、猪股篤雄理事長や二宮町の村田邦子町長、地元地区長などが参加。斜面地最上部の歩道沿いと中段にオリーブの木20本を植えた。
あいさつに立った猪股理事長は「光ファイバーを入れてインターネット環境を整え、若い人たちに関心を持ってもらえるような団地にしたい」と抱負を述べた。村田町長は「町は、百合が丘と一色を地域再生事業のモデル地区に位置付けている。二宮町の魅力をアピールし、公社と連携して次の世代へ地域をつなげていく」と話した。植樹祭に続き、現地事務所の開所式と祝賀会が開かれた。
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