街頭で警察官を見かけた時に感じるのは、心強さか後ろめたさか。大磯警察署(磯野正彦署長)が、制服警官による「見せる警戒」を強化している。犯罪や交通事故の発生抑止、体感治安のさらなる向上を目指す。
「盗撮に気を付けてください」。7月下旬の金曜日、帰宅時間帯のJR二宮駅改札口前に複数の警察官が立ち、駅を利用する女性たちに呼びかけた。盗撮はターミナル駅などの混雑が激しい駅構内で起きるとは限らないといい、同署員は「盗撮癖のある者は普段利用する最寄り駅で行うことが多い」と警戒の目を光らせた。
薄着になる夏場は女性を狙ったわいせつ事犯が多発する傾向にあることから、被害防止の心得を書いたチラシも配布。1時間近くかけてチラシを配り終えると、駅周辺のパトロールに向かった。仕事帰りの公務員は「お巡りさんが見ていてくれると、安心できる」。同じ頃、大磯駅でも警戒活動が実施された。
見せる警戒は、警察の業務運営に地域住民の声を反映させることなどを目的に設置された大磯警察署協議会(小川芳明会長)での意見がきっかけとなった。今年2月の会合で、「振り込め詐欺やひったくり、悪質な交通違反の発生は住民に不安を与える。至る所で警察官の姿が見えるようにしてほしい」と委員が要望。磯野署長がこれに応じ、日頃の巡回に加えて見せる警戒の強化を3月に開始した。
曜日や時間帯、場所を固定せず、ランダムに毎月2日実施。地域課をはじめ、生活安全課や交通課ほか各課から署員10人が出て、全署挙げて警戒にあたる。新入学・入園シーズンの3月と4月は管内に5校ある小学校周辺で子どもの見守りに重点を置いた。5月は交通事故防止、6月は自転車の交通ルール順守とマナーアップという具合に、時節や地域の状況に合わせた警戒を行っている。
今年1月から6月までの管内における刑法犯発生件数は122件。昨年同時期の259件から減少しているが、磯野署長は「犯罪・事故をゼロに近づけることが我々の目標」と強調した。
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