終戦の日を機に、戦争体験者の証言から平和の尊さを考える「第7回戦争を語り継ぐ大磯の会」が、8月20日(土)に大磯町立福祉センターさざれ石(大磯町大磯1352の1)で開かれる。戦時下を生きた2人の語り部が、悲惨な戦争を二度と繰り返すまいと自らの経験を伝える。
語り部の1人で大磯町寺坂に住む渡辺貞子さん(87)は、生まれ育った平塚市などで16歳から軍需企業に学徒動員され、1945年7月16日、平塚空襲で投下された焼夷弾によって自宅が全焼した。「戦争と生活…私の体験談」と題し、戦争に翻弄された当時の様子を振り返る。
平塚市の加藤桝治さん(90)は45年7月に軍隊の召集令状が届き、19歳で入隊。戦地に赴く前に山形で敗戦を迎えたという。「本土初空襲と緘口令(かんこうれい)」をテーマに、入隊前に川崎市や横浜市で経験した空襲の記憶などを辿る。
去来する戦禍「もう二度と」
同会は大磯町平和委員会の委員らが2010年に設立し、戦争を体験した委員の1人に証言してもらう場として同年に第1回目を開催した。
参加した聴衆の中から、語り部としての協力を申し出る人や推薦者が現れ、回を重ねるごとに証言を希望する人が増えていった。実行委員長の石黒幸久さん(77)は「ここまで長く続けられるとは思わなかった」と、参加者の間で広がる「記憶のリレー」が会の継続につながっている。
第1回目の語り部は、車いす生活によって外を出歩くことができなくなった。高齢化する証言者の体験を後世に伝えるためにも、石黒さんは「学生やママさんなど、若い世代の人たちにもぜひ参加してもらいたい」と願う。
設立当初から実行委員を務める佐藤勝栄さんは「語り部の皆さんにとってはつらい記憶もあるはず。自分たちの経験が繰り返されてはならないという思いがあるからこそ、悲しみを乗り越えて話をしてくれるのだと思う」と、証言者の心情を代弁する。
参加無料。午前10時〜正午。当日は体験談の前に、詩の朗読サークル「ポエムの杜」の群読も行われる。
問い合わせは同会の佐藤さん【電話】0463・73・4466。
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